映画「アーティスト」を観てきた。
アカデミー賞の作品賞ほか5部門受賞。
拍手パチパチの作品だ。
特色は、なんてったってモノクロの“サイレント映画”であること。
確かに、ちょっと新鮮な体験だ。
画面を、かなり真剣に見つめている自分に気づく。
また映画の世界を描いた映画であること。
サイレントからトーキーへという過渡期。
主演のジャン・デュジャルダンは、「よくまあ、こんなぴったりの役者さんがいたもんだなあ」と思う。
ラブストーリーとしては、そんなに起伏はなくて、「こうなるかな」と予想するように展開していく。
全体は、ウエルメイドな、よくできた1本。
安心してオススメできる作品であり、後味も悪くない。
悪くないんだけど、少し物足りなさもあって、“もやもや”したものが残りました。
ミシェル・アザナヴィシウス監督は、とにかく“サイレント映画”を撮りたかったのだと思う(笑)。
それ自体は大成功だ。
でも、“サイレント映画”ではなく、“映画”としては、何をしたかったんだろう。
そして、この映画における「アーティスト」って誰なんだろう(笑)。
そんなこんなを考えながら、映画館を出ました。
まあ、アカデミー賞「作品賞」でなかったら、観逃していたかもしれないわけで(笑)、アカデミー効果さまさまの1本、です。