碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

力作だったTBSの3夜連続ドラマ「ブラックボード」

2012年04月11日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』で連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBSが3夜連続で放送した「ブラックボード~時代と戦った教師たち」について書きました。


TBSの3夜連続ドラマに評価をつけてみた


先週、TBSが3夜連続で放送した特別ドラマ「ブラックボード~時代と戦った教師たち」。終戦直後、高度成長時代、震災後の現在という3つの時代の中学校を、3人の教師(櫻井翔・佐藤浩市・松下奈緒)を通じて描く大作だった。

元〝軍国教師〟の櫻井は復員して学校に戻るが、戦場へ送り出した教え子たちの〝その後〟を知って愕然とする。また80年代初期の荒れた学校で体を張り、生徒と向き合う佐藤は〝暴力教師〟のレッテルを貼られる。さらに家庭問題に悩む生徒に「抱きしめて」と懇願され、求めに応じた松下は〝淫行教師〟として糾弾され……。

最も評価したいのが佐藤。「学校を守るために生徒を見捨てることはできない」と学校、保護者と対立しながら踏ん張る姿は見ごたえ十分。あの時代、こんな先生がもっといたらよかったのにと思ってしまった。次点は櫻井。「自分に教師の資格があるか」と苦悩しながら教壇に立ち続ける姿が印象的だった。

残念だったのは松下演じる現代教師。教育熱心で一生懸命なのは結構だが、あまりに単純で感情的。生徒を抱きしめちゃうのは無防備過ぎるだろう。制作側は教育が学校だけでなく、家庭を含む社会問題であることを浮き彫りにしたかったのだろうが、やや中途半端だった。

とはいえ、「金八先生」の伝統を踏まえ、これだけの大作に真摯に向き合ったTBSの姿勢には拍手を送りたい。

(日刊ゲンダイ 2012.04.10)

NHKで、ダルビッシュ対イチロー

2012年04月11日 | テレビ・ラジオ・メディア

日本時間で10日の午前中、アメリカは9日の夕方から夜にかけて。

アメリカ合衆国の南部、テキサス州。

その北部にあるアーリントンという街の球場で、大リーグ野球のレンジャーズ対マリナーズの試合が行われた。

画面にあるのはダルビッシュが投げ、イチローが打つという光景だ。

それを、日本にいる私たちはテレビを通じて、生中継で眺めている。

当たり前のようでいて、思えば、なかなか面白い状況なのです(笑)。

試合はレンジャーズの勝ちでしたが、ダルビッシュにとっては、大リーグの厳しさを実感する初陣だったのではないか。いい勉強になったのではないか。


あらためて、ダルビッシュ対イチローの勝負をふり返ってみると、経済的には大変な対戦である。

ダルビッシュは、46億円の6年契約だから、年俸7億6000万円。



イチローの年俸が、なんと20億1000万円。



7億が投げ、20億が打っていたのだ(笑)。

本場のプロというのは、すごいものです。