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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

フジテレビ「リーガル・ハイ」の堺雅人に注目

2012年04月25日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している番組時評「TV見るべきものは!! 」。

今週はフジテレビ「リーガル・ハイ」について書きました。


練られたオリジナル脚本、
俳優の怪演ともに見ごたえ十分

「謎解きはディナーのあとで」「ストロベリーナイト」など、最近は原作のあるドラマが続いたフジテレビ火曜夜9時枠。今期の「リーガル・ハイ」は久しぶりにオリジナル脚本で臨んでいる。

主人公は、性格は悪いがスゴ腕弁護士の堺雅人。アシスタントの女性弁護士が新垣結衣。「相棒」シリーズなどを手掛けてきた古沢良太の脚本はよく練られており、裁判シーンでの展開も淀みない。 

しかし、このドラマの見どころは、なんといっても堺雅人の〝怪演〟だ。金を積まれれば、どんな判決でもひっくり返してみせるという自信。裁判ではピンチになっても微笑を絶やさない。

しかも、その微笑の裏には喜怒哀楽の感情が込められており、そんじょそこらの役者にマネはできまい。視聴者には笑顔の奥にある真意を〝推理〟する楽しみがある。

脇を固めるメンバーもクセモノぞろい。堺を潰そうと画策するライバル弁護士が生瀬勝久。その愛人風の秘書は小池栄子。思わずニヤリとさせる両者は堺とがっぷり四つだ。

また堺の豪邸兼事務所には、かつてスイスのホテルでシェフをしていたという謎の執事兼事務員(里見浩太朗)もいる。ひどく冷静かと思えば、突然エキセントリックな行動に出る堺を見守る里見が渋い。

あ、ガッキーの存在を忘れていた。正義感全開で元気に走り回る新垣。もうしばらくすれば、弁護士に見えてくるかな?

(日刊ゲンダイ 2012.04.24)