河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

牛と土 福島、3.11その後。

2023-07-21 22:39:52 | 読書(その他)
眞並恭介、集英社文庫。
これまた積読だった本。
2018年、出た時に読んでれば。
なんとなく、愛護寄りなんだと思ってた。
全然違っててごめんなさい。
東日本大震災の後の福島の原発事故で、
人が皆避難してしまった土地で、
被曝しながら、通い詰め、または住み続け、
牛に餌をやり続けた牛飼いたちがいた。
多分、当事者たちの生の声は、作者のフィルターを
通して、かなりマイルドになって気がする。
そのおかげで最後まで読み切れた部分もあるかも。
どうしたって、産業動物は利用してナンボなので、
利用価値のないものを、生かし続けておくためには、
何某かの理由が必要なのは、税金を使うのであれば
必要なことかもしれない。
ただ、俺が責任持つから、やっちまえ!っていう
決定権を持った人が、近年この日本にはいないし、
結局自己責任って黙認するしかないのだ。
牛たちを放牧することで、田んぼは田んぼのまま維持されるという、
放牧地や田んぼは、「自然」ではないのだが、
里山的な手入れ前提の自然というふうに思ってるのかな。
そういうことにしとこう。

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