染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
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竹内栖鳳の勤務先

2013年10月11日 | 店主の一日
昨日のブログに竹内栖鳳展に行った事を書いたのですが、展示の中で栖鳳の靍島屋の勤務表がありました。
栖鳳は靍島屋の所属してきもの等の下絵を描いていたのだそうです。展示の中には栖鳳の下絵とその図案を使った友禅や刺繍の展示もありました。靍島屋さんは1900年前後は海外の博覧会に工芸品を積極的に出品されていて、そういった日本の絵画や染織品、工芸品の制作を積極的にされていたようです。
今、考えるとたまらなく豪華な下絵です。
勤務表の他にも「靍島屋資料室蔵」とある掛け軸や資料も多く、栖鳳と靍島屋の密接な関係を窺い知る事ができます。
中でも栖鳳の最高傑作と言われる「アレ夕立に」も靍島屋の所蔵でした。

この絵は写真などでは何度か見た事があるのですが、現物を見るのは初めてです。
舞踊「山姥」の中のひとこまらしく、絵の英訳にも「Yamanba」とありました。この展示を見るまでは知らなかったので、「アレ夕立に」ってどんな表題だよ!とか思ってました。子供の頃なんか「あれた立に」と思っていましたので、頓珍漢もいいところです。
写真などで見た時はただ、踊っている途中で扇子で顔が隠れた瞬間に見えたのですが、実物を見てみるとわずかに首が扇子の方に傾いていて、そのうなじの曲線が実に優美です。




さて、当の勤務表ですが筆書きでなんだかよくわからないのですが、ほとんど出勤していないみたいな勤怠表でした。
自由に靍島屋の美術部や意匠を出入りしながら絵を納めていたのでしょうか。
コメント
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