染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
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敵がいないヒーロー~あんぱんまんに寄せて

2013年10月15日 | 店主の一日
僕が初めてあんぱんまんを見たのは小学生のころだったかと思います。
当時はウルトラマンに仮面ライダー全盛の頃で、今で云う「ゆるキャラ」みたいなあんぱんまんがどんな扱いであったのかは覚えていません。多分、子供向けの漫画か冊子みたいなもので見たのだと思います。

内容はすっかり忘れてしまいましたが、僕が子供の頃に見たあんぱんまんは、誰も悪者の出てこない漫画でした。
アニメですらなく、絵本ですね。10ページくらいで、挿絵にストーリが書いてある、そんな感じの。
人を殴ったり、蹴飛ばす事もなく、スペシウム光線もアイスラッガー持たずにいました。
当時のあんまんぱんの持っていた技は空を飛ぶ事と「自分の顔であるあんぱん」をお腹のすいた人に食べさせてあげる事だけでした。
~どんな登場人物が食べたか覚えてないけど~食べられて半分になった顔のままジャムおじさんの元に飛んで行き、また顔を焼き直してもらう。そんな内容だっように思います。

身を挺してお腹のすいた子供だか動物だかを助ける心優しいヒーロー、顔を半分食べられたまま、ジャムおじさんの元に帰る博愛主義のあんぱんまんは子供の頃の僕の胸を打ちました。
そして、ジャムおじさんは「良いことをした」「お腹のすいた子を救った」とあんぱんまんを誉めながら顔を作り直すのです。
それはウルトラマンが恰好いいのとは全く違うステキなヒーローでした。

それから二十年以上が経った時、僕の知ってるあんぱんまんとは全く違うあんぱんまんに遭います。
僕の子供達が見ていたあんぱんまんは、害のない程度の悪事を働く悪者が登場し、それらを殴ったり、蹴飛ばしたりするあんぱんまんがいて、それなりに「善対悪」の二極構造になっていました。
登場人物も極端に増えて、それらの多くは「食品名」に「@@マン」がついただけの全く想像力を欠いたキャラクターが次々と登場していました。

その変化の原因は僕にはわかりませんが、キャラクターがたくさんいた方が玩具が売れるとか、キャラクターが少ないとネタに困ってしまい、テレビ番組として長続きしないとかそんな感じの理由なのかもしれません。テレビ局や玩具メーカー的には極めて重要な事柄だと思いますし、現在、多くの子供達が知る「国民的キャラクター」となり、作者の郷里に「あんぱんまんミュージアム」が出来るまでに発展しているのは実に喜ばしいのですが、作者の名前を見るにつけ、「昔のあんぱんまん」を思いだすのです。

コメント
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