染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

笹飴と坊ちゃん

2013年10月16日 | 店主の一日
この前、高田に行きました。現在は上越市となっていますが、古くは上杉氏の領地で江戸時代は高田藩として栄えた町です。
オーストリアのレルヒ少佐が初めてスキーを持ち込んだ日本のスキー発祥の地であり、郵便制度を作った前島密の出身地です。
陸軍の第十三師団が置かれた町で、「坂の上の雲」の秋山好古がいたこともある歴史のある町です。

ちょっと用事があって久しぶりに近くを通ったので買ってみたのは高橋孫左衛門商店の笹飴。
400年近く続く老舗です。お店に行ったら縁起が書いてあって、十辺舎一九も立ち寄った事があるそうです。

それまで十辺舎一九は東海道をぶらぶらしていたとばかり思っていたので、新潟に来ていたのを初めて知りました。

笹飴は飴を笹に包んだもので、随分、シンプルなお菓子です。
夏目漱石の「坊ちゃん」の中に使用人の清の好物としての出てくる事で知られます。
確か、文中では松山にいく坊ちゃんに清が土産に買って来て欲しいと願ったり、清が笹飴を笹ごと食べる様な記述であったりだったかと思います。
この笹飴、やたらと歯につきます。噛んだりするれば間違いなく歯の詰め物が取れてしまうほどで、包装にも噛まずに舌で溶かすように食べろと記載があります。口の中でもにゃもにゃ嘗めていると坊ちゃんを読み返したくなってきます。

笹飴の話しをすると奈々子姐さんが「飴の銭より笹の銭」とつぶやきます。
実質的な中身よりも外身や包装にお金がかかっていることの比のようです。
飴をしゃぶりながら成る程、成る程と思います。
あはは。
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敵がいないヒーロー~あんぱんまんに寄せて

2013年10月15日 | 店主の一日
僕が初めてあんぱんまんを見たのは小学生のころだったかと思います。
当時はウルトラマンに仮面ライダー全盛の頃で、今で云う「ゆるキャラ」みたいなあんぱんまんがどんな扱いであったのかは覚えていません。多分、子供向けの漫画か冊子みたいなもので見たのだと思います。

内容はすっかり忘れてしまいましたが、僕が子供の頃に見たあんぱんまんは、誰も悪者の出てこない漫画でした。
アニメですらなく、絵本ですね。10ページくらいで、挿絵にストーリが書いてある、そんな感じの。
人を殴ったり、蹴飛ばす事もなく、スペシウム光線もアイスラッガー持たずにいました。
当時のあんまんぱんの持っていた技は空を飛ぶ事と「自分の顔であるあんぱん」をお腹のすいた人に食べさせてあげる事だけでした。
~どんな登場人物が食べたか覚えてないけど~食べられて半分になった顔のままジャムおじさんの元に飛んで行き、また顔を焼き直してもらう。そんな内容だっように思います。

身を挺してお腹のすいた子供だか動物だかを助ける心優しいヒーロー、顔を半分食べられたまま、ジャムおじさんの元に帰る博愛主義のあんぱんまんは子供の頃の僕の胸を打ちました。
そして、ジャムおじさんは「良いことをした」「お腹のすいた子を救った」とあんぱんまんを誉めながら顔を作り直すのです。
それはウルトラマンが恰好いいのとは全く違うステキなヒーローでした。

それから二十年以上が経った時、僕の知ってるあんぱんまんとは全く違うあんぱんまんに遭います。
僕の子供達が見ていたあんぱんまんは、害のない程度の悪事を働く悪者が登場し、それらを殴ったり、蹴飛ばしたりするあんぱんまんがいて、それなりに「善対悪」の二極構造になっていました。
登場人物も極端に増えて、それらの多くは「食品名」に「@@マン」がついただけの全く想像力を欠いたキャラクターが次々と登場していました。

その変化の原因は僕にはわかりませんが、キャラクターがたくさんいた方が玩具が売れるとか、キャラクターが少ないとネタに困ってしまい、テレビ番組として長続きしないとかそんな感じの理由なのかもしれません。テレビ局や玩具メーカー的には極めて重要な事柄だと思いますし、現在、多くの子供達が知る「国民的キャラクター」となり、作者の郷里に「あんぱんまんミュージアム」が出来るまでに発展しているのは実に喜ばしいのですが、作者の名前を見るにつけ、「昔のあんぱんまん」を思いだすのです。

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竹内栖鳳の勤務先

2013年10月11日 | 店主の一日
昨日のブログに竹内栖鳳展に行った事を書いたのですが、展示の中で栖鳳の靍島屋の勤務表がありました。
栖鳳は靍島屋の所属してきもの等の下絵を描いていたのだそうです。展示の中には栖鳳の下絵とその図案を使った友禅や刺繍の展示もありました。靍島屋さんは1900年前後は海外の博覧会に工芸品を積極的に出品されていて、そういった日本の絵画や染織品、工芸品の制作を積極的にされていたようです。
今、考えるとたまらなく豪華な下絵です。
勤務表の他にも「靍島屋資料室蔵」とある掛け軸や資料も多く、栖鳳と靍島屋の密接な関係を窺い知る事ができます。
中でも栖鳳の最高傑作と言われる「アレ夕立に」も靍島屋の所蔵でした。

この絵は写真などでは何度か見た事があるのですが、現物を見るのは初めてです。
舞踊「山姥」の中のひとこまらしく、絵の英訳にも「Yamanba」とありました。この展示を見るまでは知らなかったので、「アレ夕立に」ってどんな表題だよ!とか思ってました。子供の頃なんか「あれた立に」と思っていましたので、頓珍漢もいいところです。
写真などで見た時はただ、踊っている途中で扇子で顔が隠れた瞬間に見えたのですが、実物を見てみるとわずかに首が扇子の方に傾いていて、そのうなじの曲線が実に優美です。




さて、当の勤務表ですが筆書きでなんだかよくわからないのですが、ほとんど出勤していないみたいな勤怠表でした。
自由に靍島屋の美術部や意匠を出入りしながら絵を納めていたのでしょうか。
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竹内栖鳳展

2013年10月10日 | 店主の一日
竹橋の近代美術館で開催中の「竹内栖鳳展」を見ました。
会期は今週末までなので、随分と混んでいました。
掛け軸も屏風も状態がいいのですが、よくよく考えてみたら、近代の画家でもあるのでそれもそうかと。
絵の他にも様々な資料が展示してあるので、足跡を知るにも興味深い展示です。



入口からすぐに始る、ライオンの屏風は作品の大きさと細密な筆致が圧巻です。
解説には1900年のパリ万博の触発されたとありましたが、明治に入ってヨーロッパの空気に触れた当時の芸術に大変に魅力を感じます。今回の竹内栖鳳もそうですし、柴田是真などもそうかもしれません。
~そもそも素人なので、あまり難しい事を書くのは止めておきます。

後半には晩年の掛け軸も多くありました。解説には「円熟」とありましたが、なるほどおおらかで味わいのある絵でした。
ちょっと展示点数が多いので時間はかかりますが、実にいい展示でした。
今週末までですが、オススメです。是非、どうぞ。
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天高くカキ

2013年10月07日 | 店主の一日
僕の祖母と言うのは大変に実益主義な人でした。
実のなる木や製材すると役に立つ木を大切にしました。桐の木を植えていましたし、「大きくなると床柱にいい」と言って槐(えんじゅ)の木を大切にしていました。第一、一体どこに床の間を作るつもりがあったのかもわからないのに。
モノは無駄にせず、穴の空いたバケツを石拾い専用に使っておりました。etc

そんな訳で、木の多くは実のなる木でした。

きはだやの裏に柿の木があります。甘くて実のしっかりした柿がなります。
昨年は裏年だったようでほとんど実をつけませんでしたが、今年はたくさん実をつけました。
今までは枝が大きく張りすぎていた感じもあって、梅のような実がたくさんなりましたが、今年は初夏に木の手入れをしたせいか、こぶしほどの実が鈴なりです。
今日は好天で柿取りには日和がいいですが、そこまでの時間的余裕がないので、週中くらいに作業しようかと思っています。

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秋の夜長の寅さん

2013年10月05日 | 店主の一日
「秋の夜長」っていい言葉ですねえ。
気候もいいですし、そんな中で時間がありそうなだけでも気分がよくなってしまいます。
月が明るく、虫が鳴いて、湿度の低い風がすぅと足下をかすめる様に通り抜けます。
こういった日本人の感覚にあった情景を上手く表現するのはとても難しい事のように思いますが、
役者さんでそれを程よくデフォルメして演じる筆頭は渥美清扮する寅さんのように思います。

『おいタコ社長!聞いてんのか? 奈々子ちゃん(仮称)に座敷で膝枕をしてもらってるだろ?  すると、霞んだ雲の向こうに煌煌と光る月がある訳だよ。  雲が切れるとその光がすぅっと部屋を射して奈々子ちゃん(仮称)の頬を明るく照らすんだ。外ではチロチロチロと物悲しい虫の鳴き声がしている。「秋もそろそろ終わりだなあ」って俺が言うだろ?  そするとな! 「そうね、秋の終わりって淋しいわ」とか言ぅんだよ。 hihihi そこでまた月が雲に隠れるとな、枯れ草の匂いを含んだ風がすぅっと部屋の隅を抜けるんだ。 そうするとか細い声で「あら、少し風がでて来たわ。こんなところで膝枕なんてしてると風邪をひいてしまいそう。お燗もすっかり冷めてしまったわ」 おい!さくらも聞いてんのか? まったく、この家にはロマンもマロンもありゃしねぇや」 
まあこんな感じかと。顔つきとか声の出し方とかつい引き込まれてしまいます。


すいません。別にそんな事を言っていたわけでもなくて、まあ、そんな感じかと思って書いただけです。
ただのイメージです。
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店主、「ハイブロー」と云われて喜ぶ。

2013年10月04日 | 店主の一日
この独り言にはいろんな方がお越しくださり、いろんな事がありました。
そして今回、遂に、初めて「ハイブロー」という感想をいただき、店主喜んでおります。
~経緯詳細は10月2日の「皆様に御礼」をご参照ください。

「ハイブロー」と言われるのは初めての事で、喜んだり緊張したりしました。どちらかと言うと「ボディーブロー」な感じかと。
「おっさん」の部分は間違いありません。最近「おなか」も出たし「おなら」も出ます。

閑話休題

何を「スマートな語り口」と感じられたのかと思い、書いたブログを見返したら一番上にあったのは「negicco」ネタで、どうみてもハイブローには思えない内容でした。困惑していたところ、これは「ブリッジにいがた」の催事終了後に書いたものなので、これを指して「ハイブロー」と感じてお越しになられた訳ではなさそう。
次に「ハイブロー」な感じの人ってどんな人かと思い、グーグルに「ハイブロー」と打って、画像を捜したら何かよくわからない電機製品がいっぱいならんでいました。「ハイブロー おっさん」で検索すると更に状況は混沌としてきました。
まあ、見た目はともかく書いている事に魅力を感じていいただけるのはありがたい事です。よろしくお願いします。
今後も精進々々です。

因みに会場にもう一人いた好印象なナイスガイは「と~よ~君」ですのでお間違え無きように。あはは。
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新潟ご当地アイドル 「negicco」

2013年10月02日 | 店主の一日
あまちゃんも無事最終回を迎えましたですね。
すっかり人気の「ご当地アイドル」ですが、新潟にも「ご当地アイドル」がいます。

しかも10年前から!

~私自身、芸能ネタには滅法弱いものですから、多少の認識の違いはご容赦ください。また、私が知らないだけで、かなり多くの人が知っているのかもしれません。それも併せてご容赦を~


何で急にアイドルネタかというと車でラジオを聞いていると最近ご当地アイドル「negicco」押しだったからです。
結成10周年なのだそうです。「ねぎっこ」ですよ!名前!
まあ、ユニークというかなんと云うか。

当時、全国区ではどんな人がいたのか分かりませんが、元ネタはJA新潟が特産の「やわはだネギ」をPRするために作ったユニットです。
結成から10年経つ事によってメンバーも中学生くらいだったのが、今では24,25歳くらいと「アイドル」とも言い難い感じになってきました。
当時、ネギをPRする様子を聞きながら、「ネギ」の売れ行きはともかくこのユニットのイメージがいいのか悪いのかはさっぱり分からない感じでした。学校で「ネギ」とか虐められてないのかなあとかw
キメ台詞が「@@ねぎねぎ」なのもイマイチよくわからず。
ラジオで登場する時に「こんにちねぎねぎ」とか云っておりました。 
まあ、「アイドル」だからいいのか。。って感じ。

でもラジオを聞いていると、最近でも県内ではライブ会場が一杯になったり、あるいは小西康陽さんに曲を作ってもらったりとなかなかの人気ぶりです。
結構、県内ポスターにもなっていて、その手に疎い私からすると女の子が三人いるとみんな「negicco」に見えてしまいます。
~でもちゃんとキャンディーズはわかります。~

そのうち新潟物産展のゲストとかで呼ばれる時があるのかも知れません。。

皆さん、新潟のご当地アイドル「negicco」も応援お願いします。
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皆様に御礼

2013年10月02日 | 店主の一日
9/30でブリッジにいがたでの催事を無事、終わりました。
私はここのところ十日町に籠っていたので、久しぶりに会場に出る事ができました。
お越しいただきました皆々様ありがとうございます。
新しい絲しやにお誉めをいただいたり、新登場の野蚕糸のバックが好評だったりと実に楽し催しでした。←店主が楽しんでどうする!
ありがとうございました。

次回はほぼ一ヶ月後に日本橋の「きものサローネ」にでます。
ここでもまたたくさんのお客様とお会いできますように。
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