日本舞踊には欠かせない、帯結び
舞踊のあらゆる演目で結ばれる「つの出し」は、ポピュラーであるのになぜか結べない方が多いのです。
その原因は幾つかあると思うのですが、正式に学ぼうとする方がいないのと、着付け教室でお勉強する「銀座結び」を代用して事足れるとする風潮があるからかもしれません。
本来「つの出し」は、帯締めを使わないという特徴があります。
しかし、「銀座結び」は帯締めを使わないと出来ませんので、出来上がりがかなり違ってくるわけです。
もう一つ正式な「つの出し」の普及に障害になっているものがあります。
江戸時代の帯は「全通」であったために、近年になってから世に出てきた「六通」で結ぶときれいな「つの出し」が完成しない、という問題があります。
つまり、豪華な100万円の六通の帯より、2万円の全通の帯の方が、粋で素敵な「つの出し」が完成するというわけです。
この事をご存じない方が非常に多いので、事あるごとに申し上げています。
江戸時代の帯結びは、その時代の帯でないときれいなものにならないのは事の道理だと思うのですがいかがでしょうか。