2014年07月10日
ユ-ザ- 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、沿海地方企業”Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)は、2011年に外国人の所有となった3万2千トン級の大型加工母船”Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツェフ)を、昨年2013年、ロシア農業銀行の支援を受け買収、極東漁業への投入を計画していると発表しました。”Всеволод Сибирцев”は、スケトウダラ、ニシン、サケマス、サンマ等の伝統的魚種原料に加え、TAC設定のない魚種を加工し製品を生産していくとのことです。
”Всеволод Сибирцев”は、1988年から1989年にかけ、フィンランドの造船所で建造された同タイプ大型加工母船3隻の内の1隻で、14の製品加工ラインが設備され、1日あたり2,100トンまで処理する能力をもち、600名の乗組員を収容できるとの情報です。
極東漁業の船団組織構成等に大きなインパクトを与える可能性のある、世界最大級の加工母船のロシア海域への復活を今月号のTopNews としてご報告申し上げます。
なお、大統領プーチンは、5月下旬、科学調査を目的に漁獲した水棲生物資源の製品販売を認めることを復活させる法案を国会へ提出するよう政府に対して指示をしました。この製品販売から得られる利益は、連邦予算の収入となるとのことです。ロシアは2008年に、科学調査目的で漁獲された水棲生物資源は、海中還元するか、それが出来ない場合は廃棄処分する等、製品化して販売することを禁止した経緯にあります。この変化についても、ロシア操業関連情報として今月号でお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
Contents
TopNews 3万2千トン級大型加工母船フセヴォロド・シビルツェフがロシア漁業に復活
・ロ朝漁業協定に基づく漁業協力の北朝鮮による追加的提案
(ロシア農業副大臣シェスタコフ動向および2ケ国間漁業協定関連等外16件)
・沿海地方国境警備局がカニ密漁FOC船を拘束(FOC/IUU取締情報関連外5件)
・ロシアは科学調査目的の漁獲物の販売を復活させる(ロシア漁業者底魚等操業関連外13件)
・オ海北部における無脊椎動物資源漁獲状況(ロシア漁業者無脊椎動物資源操業関連外4件)
・ロシア漁業庁が今年第1回目の定例サケマス操業会議を開催(ロシア太平洋サケマス操業関連外10件)
・研究機関がサンマ漁業における南北クリール海域の統合を提案(ロシア太平洋サンマ操業関連)
・ヴニロは水棲生物資源の損害額算出のあり方の提案をまとめる(その他ロシア漁業関連情報外7件)
サハリン州国境警備局が330トンの密漁水棲生物資源を押収・EU代表団が韓国IUU漁業現地調査を終える(韓国スケトウダラ等市場関連外8件)
・金正恩が西海岸のエビの漁獲を祝福(北朝鮮漁業関連外3件)
計76報告