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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

タラバガ二輸入激減で影響広がる

2015-01-17 07:48:29 | 日記
タラバガ二輸入激減で影響広がる
2015年1月16日

カニの密漁を防ぐための日本とロシアの二国間協定が発効したことを受けて、ロシアからのタラバガニの輸入量が急激に減少し、影響が広がっています。
この協定は、ロシアで相次ぐカニの密漁や密輸による資源の枯渇を防ごうとおととし締結され、およそ1か月前の先月10日に発効しました。
これにより、ロシアから日本にカニを持ち込むすべての船に、合法的に水揚げされたカニであることを示すロシア漁業庁が発行する証明書の提出を義務づけるなど、手続きが厳格化されました。
水産庁によりますと、おととしロシアから輸入されたカニは輸入量全体のおよそ4割、国内流通量のおよそ3割を占めていましたが、協定の影響でそのロシアからの輸入が急激に減少しています。
札幌市中央区の中央卸売市場では、競りにかけられるタラバガニはほとんどがロシア産ですが、協定が発効したあと例年の1割から2割程度にまで減少し、カニが集まらないため数日間、競りが行われないこともあるということです。
16日の競りでも集まったのはわずか40杯で、卸売業者が瞬く間に競り落とし、わずか2分ほどで競りは終了しました。
競りに参加した札幌市の卸売業者の男性は「卸売業者の間での引き合いが強くなっている。タラバガニが欲しいときに集められないのが現状だ」と話しています。
流通するカニの量が大幅に減ったことで価格も値上がりしています。中央卸売市場に隣接する場外市場の海産物販売店では、協定の発効で流通量が減ることを想定して、冷凍のタラバガニについてはおよそ1年分の在庫を確保し小売価格を据え置いています。
しかし、ロシアから輸入している生きたタラバガニは、仕入れ価格が例年に比べて30%から40%ほど値上がりしたため、小売価格も20%ほどの値上げを余儀なくされました。
この店でカニを担当する神悟さんは「今後仕入れ価格がどのように推移するのか分からないので心配だ。カニは一番人気の商品なので、できるだけ値上げをしないよう努力したい」と話しています。
一方、札幌市の繁華街「ススキノ」にあるカニ料理の専門店は、看板メニューの食べ放題を値上げしました。
この店は、タラバガニやズワイガニの食べ放題を一人3780円で提供し、消費税の転嫁分を除いて26年間価格を据え置いてきましたが、15日におよそ20%値上げし4500円にしました。
値上げ当日に食べ放題を利用していた20代の男性客は「カニが好きなので、多少値上がりしても食べ放題を利用したいが、気軽に食べられる値段であってほしい」と話していました。
大量のタラバガニを安定して調達するのが以前に比べて難しくなっているということで、店長の鎌仲志津子さんは「今後もこれまでのようにカニを仕入れられるか分からず、食べ放題を続けることが難しくなるかもしれない」と話しています。
カニの貨物船の入港も激減
カニの密漁や密輸を防ぐ協定の発効から1か月余りが経過し、国内最大の輸入港の稚内港ではカニを運ぶ貨物船の入港が大幅に減っています。
おととしのロシア産の活カニの輸入量が6000トンと、全国一の稚内港ではカニを運ぶ貨物船の入港が激減していて、協定が発効してから1か月間の入港数は8隻と、前の年の同じ時期のおよそ10分の1に減っています。
一方で、港には長期間接岸したままになっている外国船籍の貨物船が増え、16日現在16隻が接岸していす。
こうした船の多くは、修理などを理由に出港の見通しを明らかにしておらず、海上保安部などはカニの輸出入の動向を探るため、稚内港にとどまっている可能性もあるとみています。
港を管理する稚内市では船舶代理店などを通して実態の把握を急ぐとともに、船の係留状態が悪く事故が起きる危険性もあるとして、見回りを強化するなどの対応を行うことにしています。
NHK
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