2017年01月20日
一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[韓国スルメイカTAC設定以降の日本と韓国の当該魚種TAC設定比較]
日本EEZにおける日本漁船のためのイカの2017年度のTACは前年比47%減の13万6,000トンと勧告された。
韓国は自国EEZの当該設定を、情報によると前年度同の14万1,750トンとしている。
韓国は新日韓漁業協定に向け、2007年度からイカのTAC設定を開始した。
日本近海のスルメイカは冬に東シナ海で生まれ主に太平洋を北上するグループ(冬季発生系群)と、秋に日本海で生まれ日本海を回遊するグループ(秋季発生系群)がある。
2017年度、資源のABCは秋季発生群15万6,000トン、冬季発生群6万9,000トンと評価されている。ABCには、韓国の漁獲が含まれており、日本はこれまでは韓国の直近5ケ年漁獲平均値を差し引いてTACとしてきたが、2017年度は、低下している資源に配慮し、過去10年間の日本EEZの漁獲割合(TAC開発率)の最大値60.1%を係数として設定勧告を行った。
日本EEZにおける日本漁船のためのイカの2017年度のTACは、前年比47%減の13万6,000トンと勧告され、一方、韓国は自国EEZの当該設定を前年度同の14万1,750トンとしている。
2016年から日韓漁業交渉が妥結に至っておらず、現在、相互の相手国EEZにおける操業は行われていなが、暫定水域の操業は継続されている。
なお、日韓漁業協定に基づく韓国漁船の日本EEZにおけるイカの漁獲割当は約1万トンで、一方の日本漁船の韓国EEZにおける漁獲割当は3,300トンだった。
2017年01月20日 日刊みなと新聞
[韓国水域イカTAC前年度並みか政府が14万1750トン提示]
北洋開発協会(北海道機船漁業組合連合会)によると、韓国海洋水産部は同国排他的経済水域(EEZ)内の2017年度イカ漁獲可能量(TAC)を前年と同じ14万1750トンに設定する案を示した。韓国業界紙が伝えたとして報じた。
同部はサバ、アジ、イカ、ベニズワイガニなど11魚種のTACを合計34万60トンとする案を示した。同国国立水産科学院の資源評価結果や沖合操業条件を考慮し、中央水産資源管理委員会の審議を経て最終決定する。
2017年01月25日 日刊水産経済新聞【札幌】
[イカTAC案4万トン 韓国 前年並みを提示]
北洋開発協会(北海道機船連内)によると、韓国海洋水産部は2017年度の同国二百カイリ内のスルメイカのTAC(許容漁獲量)を、前年同量の14万1750トンに設定する案を示したという。
同水域で漁獲されるスルメイカは、日本船が近海で漁獲する資源(秋季発生系群、冬季生系群)と同系と考えらている。日本側では17年度のTAC案として、前年比47%減の13万6000トン示している。
韓国では07年度からイカのTAC設定を開姶、初年度は16万6000トンで、ピークの13年度、14年度には19万1000トンまで拡大したが、その後、15年度18万6000トン、6年度14万1750トンと減少に転じていた。
韓国のTACについては今後、試験研究機関の資源評価と、沖合の操業条件などの検討を踏まえ、中央水産資源管理委員会の審議を経て決定される。
2017年01月10日
北海道機船漁業協組合連合会/一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[韓国EEZのイカ(오징어)TAC設定は前年同 14万1,750トン]
韓国業界紙は、同国海洋水産部がサバ、アジ、イカ、ベニズワイなど11魚種について2017年度の総許容漁獲量(TAC)を34万60トンとし、この内、イカ(오징어)については、前年2016年同の14万1,750トンに設定することを明らかにしたと伝えた。
日本のEEZにおける日本漁船のためのイカのTACは、平成29年度について前年比47%減の13万6,000トンと勧告されている。
なお、韓国EEZのTACは、同国国立水産科学院の資源評価結果と沖合の操業条件を考慮し、中央水産資源管理委員会(委員長海洋水産部次官)の審議を経て、最終的に決定される。
2016年10月14日 韓国発
[韓国 大型巻き網と釣り業界がイカ戦争]
今年2016年、サバとアジの不振により厳しい経営環境にある韓国大型巻き網漁船が、魚価の高いイカの魚群を捕捉しても漁獲することが出来ず苦しんでいる。
今年割当られた漁獲量を既に消化してしまい、追加割当を要求しているが、イカ釣り業界の反対を受けているからだ。
同年9月29日、韓国水産資源管理公団(FIRA)と韓国海洋水産部によると、大型巻き網3ケ統は、今年割当を受けたイカのTACを同27日に消化しきった。
また、別の21ケ統も同27日までに90%以上を消化している。
今年、巻き網業界が得たTACは3,700トンで、昨年2015年の約3分の1である。
海洋水産部が巻き網業界の過去5年間の平均漁獲量を基準にTACを決めた。
しかし、巻き網業界は基準データが実際の漁獲量と乖離しており、追加割り当てが必要だと主張している。
巻き網業界の代表者は、今から本格的にイカが多く獲れる時期なのに見逃すというのでは話にならないとし、イカはどうせ1年魚であり、現状の管理は意味がないと述べた。
また、ほかの関係者は今年のサバの不漁、韓日漁業協定の不発等で、膨大な赤字が出ており、イカまで獲れないのであれば赤字はさらに膨らむだろうと厳しさを吐露した。
このことから、大型巻き網の業界団体は、海洋水産部に追加割当を要求した。
大型巻き網水産協同組合の関係者は、今までTACがこんなに早く消化されたことがなかったとし、割当が桁違いに不足していると語った。
しかし、これに対してイカ釣り業界は反発を強めている。
全国近海イカ釣り連合会会長ハジェウォンは、東海岸の漁業者は、今から3-4ケ月の操業で生計を立てており、巻き網業界に追加割当を与えると、我々は生きていけないと声を高めた。
同連合会は、緊急理事会を開き、海洋水産部へ抗議訪問するとし、強硬な立場をとっている。
この問題に関して海洋水産部関係者は、初めてTACを導入する際、漁業者の反発があまりにも大きく、比較的大きい設定としていたと語り、今年の設定は過去5年間の漁獲量を考慮して定めたものだとする一方で、巻き網業界のサバ、アジの漁獲の落ち込みがあり、上半期イカに焦点を当てた結果で、過去データの取扱いも含め見直しを検討すると述べた。
今年9月の釜山国際水産物卸売市場㈜釜山水産物共販場で販売されたイカの価格はW3,475/kgで、前年2015年同月のW1,7691/kgの倍となっている。