2018年07月05日
日本国水産庁(プレスリリース)
[「北太平洋漁業委員会(NPFC)第4回年次会合」の結果について]
平成30年7月3日(火曜日)から5日(木曜日)まで、東京都港区において「北太平洋漁業委員会(NPFC)第4回年次会合」が開催され、(1)サンマの資源管理措置、(2)サバ類の資源管理措置、(3)底魚類の資源管理措置、(4)IUU(違法・無報告・無規制)漁業対策の採択等が行われました。
1.北太平洋漁業委員会(NPFC)とは
北太平洋漁業委員会(NPFC*1)は、北太平洋の海洋生態系を保護しつつ、条約水域における漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用の確保を目的とする「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約」(北太平洋漁業資源保存条約)に基づいて設立される地域漁業管理機関です。
我が国の漁船は本条約の適用水域において、サンマ、クサカリツボダイ等を対象とした漁業を行っています。
*1 NPFC:North Pacific Fisheries Commission
2.開催日程及び場所
日程:平成30年7月3日(火曜日)~5日(木曜日)
会場:品川プリンスホテル 28階 エメラルド
所在地:東京都港区高輪4-10-30
3.参加国・地域
日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、米国、バヌアツ、台湾(8ヶ国・地域)
4.我が国出席者
香川 謙二(かがわ けんじ)農林水産省顧問(政府代表(議長))ほか、水産庁、外務省、水産研究・教育機構及び漁業関係団体の関係者
5.結果概要
(1) サンマの資源管理措置
(ア)我が国から、(i)沿岸国の水域と公海に分けて数量管理を行う漁獲数量規制の導入、(ii)その他措置(サンマの洋上投棄禁止、小型魚の漁獲抑制の奨励等)を提案し、議論が行われました。
(イ)その結果、(i)の方向性については多数メンバーからの支持を得ましたが、中国等が時期尚早として反対し、来年に向けて引き続き検討していくこととなりました
(ウ)(ii)については、現行の資源管理措置に追加されることが合意されました。
(エ)来年春の科学委員会で一致した資源評価結果を得るべく作業を進めることが合意されました。
(2)サバ類の資源管理措置
資源管理措置を導入する前提となる資源評価の進捗について議論し、資源評価を迅速かつ確実に実施することを確認しました。
(3) 底魚類の資源管理措置
我が国の提案に基づき、関係国で調整・修正を行った結果、天皇海山海域におけるクサカリツボダイについて、当面は漁獲を抑制しつつ、モニタリングにより資源状況が良好と判明した時点で漁獲の増加を認めるなどの資源管理措置の導入が合意されました。
(4) IUU(違法・無報告・無規制)漁業対策
我が国の提案をもとにしたIUU漁船リストに新たに4隻の漁船が追加され、合計27隻となりました。また、公海乗船検査制度の実施規則が策定されました。