2018年07月20日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[“北特法”改正は南クリールでの共同経済活動に深刻な障害をもたらす]
ロシア外務省は、日本の国会が採択した1982年成立の“北特法” 「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の改正」が南クリールにおける共同経済活動に深刻な障害をもたらすと指摘している。
ロシア業界紙(WEB)が伝えた。
この法律は、南クリールを日本固有の領土と規定して早期の返還を訴えており、ロ日関係が首脳レヴェルの会談等により急速に発展している中にあって、なぜ、この時期に法改正を行う必要があったのか理解できないとしている。
南クリールにおける共同経済活動には水産養殖のプロジェクトも盛り込まれている。
北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律
(目的)
第1条 この法律は、北方領土が我が国固有の領土であるにもかかわらず、北方領土問題が今なお未解決である現在の状況並びにこれに起因して北方地域元居住者及び北方領土隣接地域が置かれている特殊な事情にかんがみ、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発、交流等事業の推進、北方地域元居住者に対する援護等の措置の充実並びに北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画の策定及びその実施の推進を図る等のために必要な特別の措置を定めることにより、北方領土問題及びこれに関連する諸問題の解決の促進を図り、ひいては北方領土の早期返還を実現して我が国とロシア連邦との間の平和条約を締結し、両国の友好関係を真に安定した基礎の上に発展させることに資することを目的とする。
2018年07月15日
しんぶん赤旗
[北方特措法と切り離しを 日ロ「共同経済活動」 紙議員が要求 参院特別委]
参院沖縄北方特別委員会は13日、北海道根室市をはじめとする「北方領土」の隣接地域の経済活性化のための振興基金の取り崩しを盛り込んだ北方領土問題等解決促進特別措置法改正案を全会一致で可決しました。基金の取り崩しは、地元が強く求めていました。
日本共産党の紙智子議員は質疑で、日ロ首脳会談(2016年12月)で協議の開始を合意した四島における「共同経済活動」が法案に規定されていることについて、同活動は両国政府の合意に至っていないとして「今まで国際条約がないのに、国内法に書き込んだ事例はあるのか」と追及しました。法案提出者の渡辺孝一衆院議員は「調べた限りでは立法例は見当たらなかった」と答えました。
紙氏は、首脳会談で「共同経済活動」は両国の法的立場を害さないとされたものの、ロシア側は同国の主権下で行われると繰り返し表明していると指摘。「主権を侵さない共同経済活動はできるのか」とただしました。
渡辺氏は「平和条約問題に関する日露双方の法的立場を害さない形で行われることを必ず確保する」と衆院沖縄北方特別委員会の決議を引用しました。
紙氏は「日本の領土問題解決につながるか否か懸念が払しょくされておらず、『共同経済活動』を法案から切り離すべきだ。今後の交渉を十分注視する必要がある」と指摘しました。