2019年07月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[第3回ロシア国際漁業フォーラム 本会議が開催される ロシア農業大臣基調報告]
2019年7月10日、サンクトペテルブルグにおいて第3回ロシア国際漁業フォーラムが始まり、当日本会議が開催された。
今回のビジネスプログラムのメインテーマは、“可能性の海:自然・経済・人”となっている。
ロシア農業大臣パトルシェフは、今回のフォーラムが水棲生物資源の利用と漁業発展のための科学、経済、法ばかりでなく社会的側面にも同様に焦点を合わせているので、その点においてユニークだと指摘、漁業分野は世界の最大の権力でさえ個別に対抗できない新たな課題に直面しており、国際協力の重要性が増していると語った。
パトルシェフは、基調報告を行い、漁業における国際協力の最も重要な分野は、世界の海洋の水棲生物資源の資源量調査と探索、国内および国際レヴェルでの漁業の法的規制の改善、IUU漁業防止のための連携だと言及した。
また、昨年2018年、ロシアの漁業者は過去25年間で最大となる500万トンを超える漁獲量を記録したと報告、ロシアは、漁業と養殖の双方を更に発展させることが可能だと言及、この目的のために、連邦予算を準備していると加えた。
2018年の予算調達は123億ルーブルで、今年2019年は20億ルーブルが上積みされる計画となっている。
2030年までの漁業発展プログラムに基づき、ロシア漁業は成長を続けており、GDPへの貢献は6,000億ルーブルに達すると見込まれている。
なお、パトルシェフは、今年2019年6月に、投資目的で優先的に配分される水棲生物資源の漁獲割当のための第3次オークションを完了したと発表した。
第3次オークションにおいて、10隻の漁船が新造、4つの水産加工場が建設される。
これらの投資総額は約560億ルーブルとなっている。
これまで”投資クオータ”として33隻(極東9隻・北部24隻)の漁船新造、22の水産加工場(極東14・北部8)の建設プロジェクトが採択されており、これらの投資総額は漁船1,100億ルーブル、水産加工場220億ルーブル、計1,320億ルーブルに達している。