2020年09月25日
北海道機船漁業協組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業庁幹部会合が開催される]
2020年9月25日、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフが議長を務め、ロシア漁業庁幹部会合が開催された。
冒頭、農業大臣パトルシェフがスピーチを行い、昨年2019年、漁業分野発展のための国家プログラムに138億ルーブルの予算が割当られ、前年2018年の119億ルーブルを上回り、今年2020年には、50.5%増の208億ルーブルが準備されていると言及した。
シェスタコフは、漁業・水産養殖企業からの税収がこの3年間で40.3%増加し、 374億5,300万ルーブルに達したと報告、同等に達成できる産業は多く存在しないと指摘した。
今年2020年漁期開始から同年9月21日までのロシア漁業者による水棲生物資源漁獲量が、381万5,550トンで前年2019年同期を0.5%上回っており、シェスタコフは、ロシア漁業庁が、一早く対策本部を設置、ロシアFSB国境警備局ほか関係省庁と連携、現場での有効な新型コロナウイルス拡散防止対策措置を導入して、漁業生産を堅調に維持させていることをあらためて報告した。
またシェスタコフは、今年2020年上半期の当局の漁業取締活動について言及、違反指摘は51万338件で、罰金額は1億5,110万6,000ルーブルだったが、実際の徴収率は66.5%、1億42万8,000ルーブルにとどまっており、違反を減らすためにも、プロトコル作成の質の向上に取り組み続ける必要があると報告した。
なお、終盤をむかえている今漁期太平洋サケマス操業の生産量について、30万トン-31万トンで完了するとの見込みを示した。
2020年09月25日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ニコライ・パトルシェフが漁業分野管理会議をウラヂオストクで開催]
元FSB長官で安全保障会議書記長*ニコライ・パトルシェフがウラヂオストクにおいて、関係省庁の代表者参加のもと、漁業分野の管理会議を開催した。
パトルシェフは、ロシアの水棲生物資源による製品需要が国内外で安定しており、昨年2019年の輸出が200万トン、金額で50億ドルを超え、国内市場への国産水産物供給も8.8%増加し3,700億ルーブルに達したことを指摘、一方で、水産業は収益性が高いため、漁業関係者ばかりでなく、あらゆる種類の犯罪組織にとっても魅力的なことを踏まえ、これらと戦うため、国家管理のレベルを高めることが重要だと言及した。
昨年2019年、ロシアFSBが、違法漁業に関与したロシア漁船170隻と外国漁船114隻を極東海域で拘束、国家の水棲生物資源の損害約280億ルーブルを未然に防いだとパトルシェフは語り、更に水産業を非犯罪化するためには、生産から流通に関する国家と法執行機関の管理レベルを高めることが重要で、腐敗のスキームを特定する活動を強化して、国境を越えた組織的な犯罪活動を摘発し、漁獲割当配分の合法性を確保する必要があると加えた。
*ニコライ・プラトノヴィチ・パトルシェフ(Николай Платонович Патрушев)
1951年7月、ソビエト連邦社会主義共和国レニングラード(現在サンクトペテルブルク)生まれ。1974年にレニングラード造船大学を卒業。大学卒業後の1975年からソビエト連邦国家保安委員会(KGB)要員。KGB高等学校・特技向上課程を修了し、レニングラード市及び同州のKGB支部において初級作戦係・市班長・地区課副課長・密輸・汚職対策課長として勤務。ソ連崩壊後はKGBの解体を受けてロシア保安省に移り、1992年にカレリア共和国保安相に就任。1994年からモスクワ勤務。ロシア連邦防諜庁内査局長、ロシア連邦保安庁組織・人事業務部組織監察局長。1998年8月にロシア大統領府副長官兼監督総局長。同年10月にFSB経済保安部長を歴任。1999年8月9日にエリツィンがロシア連邦保安庁長官兼安全保障会議書記だったプーチンを首相代行(後に首相)に任命したため、同日プーチンの後任としてFSB長官代行、8月16日に正式に長官に就任。以後プーチン政権発足以来同庁長官として、チェチェンなどに関するテロ事件に対応。プーチンに対し絶対的な忠誠心を持ち、プーチンから全幅の信頼を寄せられていると言われる。