ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア漁業庁長官 プーチンに2023年の漁業分野の結果等を報告  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-09 12:08:52 | 日記

 

2024年04月09日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業庁長官 プーチンに2023年の漁業分野の結果等を報告]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、今般、大統領プーチンに対し、昨年2023年の漁業分野の結果、経済的インデクス、投資目的漁獲割当義務付けプロジェクトの実行状況等を報告した。

昨年2023年のロシアの水棲生物資源漁獲量は530万トンに達し過去最高を記録した。

当該漁獲量の約75%を極東海域が占め、前年2022年比で14%増加し、400 万トンに達した。

この増加の主要因の一つとして、データが残る中、過去2番目で60万9,000トンに達した太平洋サケマス操業の成功が指摘された。

また、昨年2023年、ロシアの商業養殖漁業生産量は40万2,000トンとなり、前年2023年を4.8%上回った。

主な製品は、サケマス(タイセイヨウサケ・トラウト等)とコイで、加えて、チョウザメ、ホタテ、イガイ(ムール)、ウニ、カキ等が生産された。

商業養殖の漁業生産量はこの10年間で2倍以上となり、2023年までに60万トンに達すると予想されている。

来年2025年には養殖飼料需要を国産で完全に満たす準備が整っている。

現在、すでに15の地域に飼料生産施設が建設されており、2030年までには、年間25万トンの国産飼料生産が可能となると見積もられている。

投資目的漁獲割当(“投資クオータ”+カニ漁獲割当オークション)に義務付けされた漁船建造プロジェクトにかかる105隻について、2026年までに全船が竣工、2027年にはこれらが操業を開始しているとの見通しを報告した。

当該第1弾では、既に23隻が竣工、就役している。

一連の制裁措置により外国産の舶用機器の調達等が困難になる等のサプライチェーンの混乱に伴ったデザインの変更、輸出市場の変化によるプロジェクトの遅れが指摘されているが、シェスタコフは、修正されるスケジュールにおいて2027年までに、全ての船主に新造漁船の引き渡しが行われることになるとプーチンに述べた。

昨年2023年、漁業・水産加工業の総売上高は史上初めて1兆ルーブルを超え、水棲生物資源利用税の上昇もあり、税収が大きく増加、この80%が地域予算に送られ、沿岸地域の発展に貢献していることが指摘された。

このほか、シェスタコフは科学研究機関による産業支援、人材教育等の重要性について説明を行った。

 

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日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(3月29日) リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-09 09:41:31 | 日記

2024年04月09日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(3月29日)]

韓国漁船による自国EEZでの2023年度漁期(管理期間2023年7月-2024年6月)の2023年7月1日から2024年3月29日までのスルメイカのTAC管理漁獲量は1万7,420トンで、前年度同期比68%、TAC設定7万9,000トン(実証試験枠を除く)に対する開発率は22%にとどまっている。

主要漁業沖合イカ釣りの漁獲量は報告日までに2,570トン、前年度同期比37%、TAC開発率は11%にとどまっている。

2020年度漁期から近海網漁船(小規模漁業)にもイカのTAC管理が導入されている。

これまで、近海網漁船の操業規制に関する情報がなく、海域利用の実態が不明だったが、専門家の情報により、主漁場が西岸沖合であることが分かった

近海網漁業は、2023年度漁期開始から報告日までに、前年度同期を9%上回る4,360トンを生産、主要漁業沖合イカ釣りの1.7倍で、西海トロールに次いで韓国近海イカ漁業を牽引する存在となっている。

2023年度漁期から西南海区中型トロールのTAC実証試験が開始されており、報告日までに1,580トンを生産している。

これを正式TAC管理漁業種と合算すると生産量は1万9,000トンで、前年度同期比74%となる。

大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域で約1万1,620トン、さらに近海網が4,360トンを報告日までに漁獲しており、現在、韓国スルメイカ漁業の実に8割以上の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、日本の資源評価において、この動向を論議の対象外としてきたことは、大きな問題点として指摘されるところとなる。

日本の科学研究機関は2023年度のスルメイカの資源評価のための情報として、遂に韓国西海での漁獲量を除外してしまった。

日本の科学研究機関は韓国のスルメイカの月別漁獲量を4月-10月が秋季発生群、12月-3月を冬季発生群、11月を半々と分類していた。

日本の科学研究機関によると、韓国西海での漁獲量を2022年漁期まで1%未満-20%と推定していた。

しかし、韓国管理機関の情報をもとにすると、2017年漁期から2023年漁期までの間、西海での漁獲量のシェアは38.2%-84.1%で推移している。

韓国西海での漁獲量を除外した理由について、秋季発生系群と冬季発生系群の親魚量算定の時のアンバランスの発生等が考えられるが、日本の科学研究機関からは、明確な説明はなく、“考慮回避”とうかがえる状態となっている。

*日本の自国EEZの2022年度-2024年度のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値として、7万9,200トンが設定されているが、最終年度となる2024年度については、この間の資源悪化と、その対応としてのリスク低減を理由に、当初配分を2万9,000トン、残る5万200トンを国が留保することとなった。

 

 

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