2024年04月26日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2024年漁期 ロシア極東科学操業評議会 春季オ海抱卵スケトウダラ操業総括レヴュー]
今年2024年漁期のロシア極東科学操業評議会春季会合が同年4月25日、ウラヂオストクで開催され、春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業、所謂“Aシーズン”の総括レヴューが行われた。
100日間におよぶ主要3海域(カムチャツカ・クリール/西カムチャツカ/北部オホーツク)当該操業の漁獲量は82万7,000トンで、前年2023年同期比2万4,000トン増の生産となった。
また、報告期間、極東海域全体のスケトウダラの漁獲量は105万トンに達し8.6%増となった。
盛漁期、115隻のトロール漁船がスケトウダラ操業に着業、1日あたりの漁獲量は、最大で1万トンを記録した。
現在、オホーツク海主要3海域におけるスケトウダラのTAC開発率は87%で、夏場の西カムチャツカ大陸棚操業の2万トン-3万トンと、秋季“Bシーズン”9万トン-10万トンが残枠となるが、科学研究機関によると漁業状況と向けられる操業努力量を勘案した時、当該海域の年末までのTAC開発率は93%-94%に達すると見積もられている。
今漁期、製品の生産は一連の制裁措置による海外市場の不確実性から、フィレとミンスを前年と同水準の6万トンとし、すり身を40%増産させ3万トンまで引き上げ、冷凍スケトウダラ(H&G・W/R)も8%増、更にスケコも増産となった。
会合ではオホーツク海とベーリング海等、極東海域でのスケトウダラ操業の見通しについても話し合いが行われた。
科学研究機関は来年2025年の極東海域のTACを11.8%増の255万4,000トンに設定することを勧告しているが、一方で業界からは、コストとマーケット等を考慮し、前年となる今年2024年の228万8,500トンと同水準が望ましいとの意見もだされた。
これらTAC設定については、決定される今秋までの間、更に論議が行われることになる。