2024年04月20日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア科学研究機関 稚内対岸アニワ湾ニシン産卵行動調査]
今年2024年、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・サハリン支部サフニロは、稚内対岸アニワ湾において、日本EEZとの“またがり資源”となるニシンの産卵行動調査を行っている。
アニワ湾沿岸では同年4月中旬から産卵行動(群来)が確認されている。
この沿岸沖合では2021年から本格的なニシン操業が開始され、オジョロスキーの”ギドロストロイ”社傘下工場で製品化されている。
対象となっている資源は、サハリン・北海道系群で、操業には、クリール列島からまわってきた、同社所属小型漁船 が投入され、巾着網操業を行いコルサコフ港で荷揚げを行っている。
この漁法でニシンが漁獲されたのは45年前に遡る。
小型漁船は、米国で建造され、ダンブルが漁獲物の冷却保持が可能なことが特徴で、高鮮度を維持し漁場から戻る。
陸揚げもダンブルからフィッシュ・ポンプにより行われ、氷がけをされ、鮮度を維持し、車で30分のオジョロスキーの加工場へ輸送される。
2022年4月12日、北海道総研中央水試資源管理部は、石狩湾系群の漁獲後の調査結果を公表し、初めて脊椎骨数の分析を示して、同年2月の盛漁期、小樽・厚田地区で水揚げされたニシンは石狩湾系群の特徴が確認されたが、3月末の石狩・厚田地区の漁獲物には、サハリン系群が混在していたことを明らかにしている。