2024年04月25日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業庁 深海カニ漁獲割当オークション落札者との資源利用契約を解除]
ロシア漁業庁は今般、深海カニ漁獲割当オークション第1弾の落札者"コルヴェト"(Корвет)社との資源利用契約を解除した。
低い採算性から、深海カニの漁獲割当は業界から敬遠されがちで、計6ロットに分割された当該漁獲割当の配分に7回にわたるオークションの実施を必要とした。
最後の1ロットをめぐる第7回目の残枠オークションは、2021年5月31日、電子サイトで行われ"コルヴェト"(Корвет)社が落札していた。
継続して上場されていたのは、日本海のベニズワイガニとオホーツク海のトゲズワイガニの漁獲可能量の16.666%のパッケージ6ロットで、2020年10月30日に開催された第4回目のオークションにおいて、初めて沿海地方のテフィダ(Тефида)社が4ロットを申請、やはり、競争は成立しなかったものの、規則に基づき、スタート・プライスでこれを獲得した。
更に、残枠となった深海カニ漁獲割当2ロットの第5回目のオークションが、2021年2月2日に開催されることになり、応札申請受付は同年1月28日が締め切りだったが、これにハバロフスク登記のアムール・ルイブプロム(Амуррыбпром)社1社のみが申請、同様に競争は成立しなかったものの、規則に基づき1ロットを獲得した。
しかし、その後、テフィダについては、2022年3月、ロシア独占禁止庁が、同社が米国資本により不当に管理されていると認定、その後、訴訟判決結果等、一連の経緯を受け、ロシア漁業庁が2023年7月、資源利用契約を打ち切った経緯がある。
落札者には15ケ年間の漁獲割当を獲得すると同時に、全長50m以上のカニ漁船の建造が義務付けされていた。