2024年05月02日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 イカナゴ操業禁止 環境保護団体 英国政府に毅然とした対応を要請]
英国が、今年2024年から、ドッガー・バンク海域でのEU漁船によるイカナゴ操業の禁止措置をとるとした問題に関し、環境保護団体は同国政府に対し、EUの反対に屈せず、毅然とした対応を求める要請行動をとった。
EUはこの問題について英国政府を相手取り訴訟を起こしたと伝えられている。
英国はこの海域における海鳥を含めた、捕食等、生態系への影響を指摘している。
これに対し、資源利用者であるデンマークとスウエーデンの関係漁業者は憤慨、EU本部に対し法的対抗措置の働きかけを行ってきた。
英国EU離脱後、EU・英国貿易協定に関し、EUが紛争メカニズムを発動したのは初めてとなる。
例えば、デンマークの場合、この操業が出来なかった時の損失は、年間1,800万ユーロに達すると見積もられている。
両国漁業のEU本部への訴えはEU・英国貿易協定における関税設定のあり方にまで波及する可能性があり、漁業権利が再び主権と利害の象徴になりつつある。
英国のEU離脱による漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年6月まで実行される。
譲渡のプロセスは(括弧内は全体に対する比率)次のとおりとなる。
2021年:60%(15.0%) 2022年:70%(17.5%) 2023年:80%(20.0%) 2024年:92%(23.0%)
2025年:100%(25.0%)
非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。
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