2016年09月03日
サハリン発
[東方経済フォーラムにおいてサ州と漁業庁が”アストロブノイ”危機克服のための覚書]
2016年9月2日、ウラヂオストクで開催された東方経済フォーラムにおいて、経営破綻し操業継続が危ぶまれている色丹島漁業コンビナート”Островной”(アストロブノイ)支援のため、新たな投資家を加える覚書をサハリン州政府とロシア漁業庁が調印した。
サハリン州政府とロシア漁業庁は、原料供給のための漁獲割当の確保、インフラ整備のための投資ローンの金利助成等の支援を行っていくことになる。
覚書によると、近代化された“アストロブノイ”は来年2017年から操業が開始される。
なお、新たな投資家として、"Курильский универсальный комплекс"(クリルスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス)社の取組が伝えられている。
(関連過去情報)
2016年05月30日 サハリン発
[色丹島サンマパッカー“アストロブノイ”再稼働のため投資家を募る]
サハリン州知事コジェミャコは、先に経営に行き詰まって裁判所から破産宣告を受けたサンマパッカー漁業コンビナート“アストロブノイ”(Рыбокомбинат Островной)の再稼働を目的に、投資家とともに、プラントの評価、投資額等を見積もるため色丹島を訪問した。
“アストロブノイ”は2016年5月13日、経営に行き詰まり裁判所から破産宣告を受けた。
同年4月14日行われた大統領プーチンと国民との直接対話において、“アストロブノイ”の給与未払い問題が指摘され、その後、工場側は一部の従業員に対して未払い分の給与を支給したものの、破産宣告を受けるまでに至り、従業員らは大統領プーチンへ書簡を送り雇用の確保を求めていた。
なお、創業者で株主のユーリ・ベルキン(Юрий Белкин)は姿を消しており、当局はベルキンに対して国際捜査手配と逮捕状がだされたと発表している。