内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

我が母なる言語を大切にしたいという思い

2021-04-28 23:59:59 | 日本語について

 単に立場上あるいは職業的理由からというだけではなく、普段から日本語の言葉遣いには特に気をつけている。それは言葉の上での失敗あるいは誤解を恐れてのことという消極的な理由からではなく、我が母なる言語を大切にしたいという思いからである。現実にそれがどこまで実践できているかを客観的に判断する基準はないが、心がけとしてこの思いを忘れたことは数十年来ない。この思いの芽生えは高二のときであったと思う。
 このブログもその原則に従って書かれている。というよりも、この原則の実践の現場の一つだと言ってよい。ただ、自分で書きたいことを書いているだけで、人から与えられたお題や強いられた問いに答えることはなく、自分に関心がないこと、嫌悪していること、苦手なことを話題にすることはないから、取り上げられるテーマはおのずと限られており、その中での実践というに過ぎない。それでも実践という言葉を使うことが許されるならばの話だが。
 いわば、使い慣れたトレーニング室で練習を繰り返しているに過ぎず、余所に出稽古に行くこともなく、試合に出場することもなく、コーチについて指導を受けることもなく、人から批評されることもなく、ただ自分独りのために汗を流しているだけのことだ。だから、ひとりよがりで、ほんとうに試合で通用するような実力はついておらず、そもそも資質に恵まれておらず、才能もなく、それどころか、実は悪癖がついているにもかかわらずそれに気づかない、しかも気づいていないのは本人だけという、傍から見れば滑稽でちょっと惨めな、あるいは憐憫の情を誘うような体たらくなのかも知れない。
 ただ、たとえ下手の横好きであろうとも、そして、迷惑かもしれませんが、私は死ぬまであなたを愛し続けます。