名古屋は朝から雨が降り続いている。
こんな日は高山の稲田が倒伏していないかとか、猪に荒らされていないかとかが気になるが、ここに居てはどうしようもない。
高山から連れてきた犬も、玄関先で寝そべったり伸びをしたりして、身を持て余している。
今日は予定も無く、一日空けておいたので丁度良い休養日となった。
読み掛けになっていた、もと仕事仲間が書いた「十津川警部シリーズ」を推理するを読み終えた。
友人知人でリタイア後に本を出版する人がいて、送って頂いた本が今回で5冊目となった。
これまでの人生やライフワークにしていたテーマ、私小説、ドキュメンタリーなど内容は様々だが、十津川警部シリーズは今まで読んだことが無いジャンルの著作で内容もユニークであった。
熱烈な西村京太郎ファンの著者は、「十津川警部シリーズ」の初期長編100作品に描かれる警察、人名、乗り物、駅弁、殺しの手口など15.000件近くの事物を集計・分析・ランキングし、推理を交えながらエピソードなどを紹介している。
会社退職後、1日4~5時間のペースで書き続け、10年を費やしたとのことである。
この力作に対して、西村京太郎氏からも高い評価を得て、刊行に際しては帯文も書いてもらっている。
十津川警部シリーズを丸裸にして、読者側から分析推理していく手法は、西村京太郎ファンならずとも興味津々の内容であった。
仕事以外ではちょっと不真面目?なところもあった著者が、ふつうの人にとっては何でもないことを真面目に取り上げて調べていく姿は、十津川警部の捜査に対する根気と執念を上回っている。
膨大なデータベースから何を読み取るかは、読者の推理力に委ねられるが、リタイアして身を持て余す人にはヒントになる著作であると思う。