名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

石積みの棚田

2007年11月27日 | セカンドルーム
飛騨三十三観音めぐりで、先日行けなかった飛騨宮川町のお寺を回ってきた。
その道すがら、町の中心から曲がりくねった山道を登りつめた所にある、種蔵集落の石積み棚田を見てきた。
遠い谷から水路を引き、お城の石垣のように積み上げられた田は、険しい山の中腹まで続いている。
戦後まで続いた過酷な工事によって、稗や粟しかとれなかった山里でも、米が食べられるようになったという。
かつては23戸あったこの集落も、今は12戸に減り、高齢化や米離れの影響で棚田の維持が難しいようだ。
先祖の苦労の跡を荒らすことは出来ないと、残った人たちで、そばやみょうがなどを作りながら辛くも持ちこたえている。

米に対する執念が、苔むした石垣の一つ一つに込められていたかと思うと、その感慨もひとしおであった。
近くで仕事をしていた人が、実りの秋は黄金色の稲穂が風にゆれ、そばの花が咲く頃の風景は素晴らしいので、また見に来るようにと勧められた。
限界集落の先端を行くような種蔵から、懐かしい山里の原風景が消滅しないことを祈るしかない。
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