kotoba日記                     小久保圭介

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だから言葉を書いている

2012年11月23日 | 生活


雨がやんで
それは朝で

雲の間から陽
ほとんど
グレイの空
唐黷サうになった
僕は自分が正常だと
思い違いしている時がある
だから言葉を書いている

明ちゃんのお父さんは
中野重治を読んでいる
と云う
中野重治は本棚にあった
僕は本をきっと眺めていたのだ
読まずに
ある晩
つまらない小説を
読んでいると
明ちゃんのお母さんがやってきて
「何を読んでいるの」
と訊いた
つまらない本

明ちゃんは神童だった
僕は野球をして
谷岡ヤスジを読んだ
親や学校や教師から逃れ
柵を越え
逃げた
夕暮れの庄内川の土手を
歩いて
固定しようとする者から逃げた
ひとり
固定と圧縮と集団と因習から
逃げて逃げて
川へ向かった
甘い呼び声を疑い
今でも川にいる

盲人は
地下鉄に乗って
白杖の音
僕は彼だ
僕には言葉がある
僕には熊野がある

「喜びも悲しみも萎えて 冷たい秋の雨にぬれている」
「鉄橋を渡る汽車の音」

犬塚康博さんは
歌った
こころの歌

胸に
遠くなった世界


道が
こうして
言葉

書いている

見えてくる


コメント
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