火が燃える
蝉が鳴く
8月6日
テントが張られた広場に集う
人間たちは人間たちは
言葉を発し
歌う
どこかでデモの
シュプレヒコール
耳障り
いや あの群衆の
叫びは
77年前
4000度で焼かれた
人間たちの声
77年の歳月で
苦しみ絶えた
発声
地球のいたるところ
息絶えた
声
Hiroshimaで絶えた
動植物たちの
無尽蔵の声
火が燃える
蝉が鳴く
人間たちが
言葉を発する
涙がでるほど
簡単なことをするために
77年も
集っている
集いが終われば
海を越えてきた
人間たちをもてなして
彼らが一番楽しみにする
日本料理を箸で食べては
小さく笑い
計算と計画と推論に酔い
自分たちが発した聞いた
利他の言葉をすでに忘れ
地中に7年
地上に7日の
蝉の声に
煩わしいと思う
集いの広場に残された
言霊と
祈りの力が
蝉の背中に乗っかって
凄まじい音となって
魂(たま)の炎で
舞いあがり
宇宙に向かって
飛んでゆく
そのきれいを
人間たちは知らぬまま
けれど
わずかな人間たちが
自分のために
利他の道を
一歩
また一歩と
牛歩の如く
耳では聞こえないけれど
ズシンズシンと
地球に響かせ
また一歩
また一歩と
本気の気持ちと
本気の体で
前進して行く
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