kotoba日記                     小久保圭介

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蝉の背中に乗っかって

2022年08月06日 | 生活詩

         

 

火が燃える

蝉が鳴く

8月6日

テントが張られた広場に集う

人間たちは人間たちは

言葉を発し

歌う

どこかでデモの

シュプレヒコール

耳障り

いや あの群衆の

叫びは

77年前

4000度で焼かれた

人間たちの声

77年の歳月で

苦しみ絶えた

発声

地球のいたるところ

息絶えた

Hiroshimaで絶えた

動植物たちの

無尽蔵の声

 

火が燃える

蝉が鳴く

人間たちが

言葉を発する

涙がでるほど

簡単なことをするために

77年も

集っている

 

集いが終われば

海を越えてきた

人間たちをもてなして

彼らが一番楽しみにする

日本料理を箸で食べては

小さく笑い

計算と計画と推論に酔い

自分たちが発した聞いた

利他の言葉をすでに忘れ

地中に7年

地上に7日の

蝉の声に

煩わしいと思う

 

集いの広場に残された

言霊と

祈りの力が

蝉の背中に乗っかって

凄まじい音となって

魂(たま)の炎で

舞いあがり

宇宙に向かって

飛んでゆく

そのきれいを

人間たちは知らぬまま

けれど

わずかな人間たちが

自分のために

利他の道を

一歩

また一歩と

牛歩の如く

耳では聞こえないけれど

ズシンズシンと

地球に響かせ

また一歩

また一歩と

本気の気持ちと

本気の体で

前進して行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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