東京電力福島第1原発で汚染水の発生抑制のため、原子炉建屋周辺の地盤を凍らせる「凍土遮水壁」でトラブルが相次いでいる。
冷却液漏れのほか、昨年は地中の温度が一時的に0度を超えたが、原因は突き止められていない。
実際の汚染水抑制効果も不透明なままで、運用停止に向けた議論を求める声も出ている。
凍土壁は1~4号機建屋の周囲に約1600本の凍結管を埋めて造る、全長約1・5キロ、深さ約30メートルの氷の壁。
建屋の損傷部から地下水が流れ込み、汚染水と混じるのを抑える。
2016年から段階的に凍結を始めた。
1月16日に冷却液のタンク水位が低下し、2,3号機の西側で水たまりが見つかった。
冷却液を流す管を調べると、2本に損傷などが判明。
うち1本は管の継ぎ手がゆがみ、隙間ができていた。
昨年には4号機そばで温度が上昇し、0度を超えた状態が約3ヵ月間続いた。
壁の一部は解けたとみられるが、東電は、機能は保たれていると強調。
地下水の流れが原因とみて対策すると0度を下回ったが、温度は以前のようには低下していない。
近くの壊れた側溝から漏れた雨水や、昨年多かった地震の影響もあるとみて調査を続ける。
原子力規制委員会は凍結開始前から効果を疑問視している。
更田医院長は2020年、建屋内をコンクリートで固めて地下水流入を防ぐ方法もあるとして「凍土壁をいつやめるか、近い将来に議論になる」と指摘した。
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