国際教育到達度評価学会(IEA)は12月4日、世界の小4と中2に当たる学年を対象とした2023年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表した。
日本は理科の平均得点が小中ともに前回より下がり、小4は6位に落ちたが、中2理科と小中の算数・数学は5位以内でトップレベルを維持した。
算数・数学と理科を「楽しい」「得意」とした割合は、いずれも女子が男子を下回った。
文部科学省は、女子は理系が苦手といったアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)が教育現場にあり、子どもに影響を与えた可能性があるとしている。
TIMSSは4年ごとに実施。
1995年調査の国際平均を500点に設定し、結果を比較できるよう統計処理している。
前回2019年調査からコンピューター利用の調査形式が導入され、日本は今回初めて採用した。
参加した国・地域は小4が58、中2が44で、前回と同様、小中全教科で成績上位のほとんどをアジア勢が占め、いずれもシンガポールがトップだった。
日本の平均得点は、小4算数が2点減の591点、中2数学が1点増の595点で過去最高。
順位はいずれも前回と同じで小4が5位、中2が4位だった。
理科は小4が7点減の555点で6位に下がり、中2は13点減の557点だったが3位を維持した。
文科省は理科の得点低下の要因を「日本の子どもになじみのない問題が一定数あった」と分析している。
中2理科は他の上位国も下がっていた。
5段階に分けた得点分布は、理科で最上位層(625点以上)の児童生徒の割合が前回より減り、475点未満の下位層が小4で5ポイント増、中2で7ポイント増となった。
児童生徒への質問調査では、算数・数学、理科が「得意」としたのは小中いずれも1~9ポイント減。
「勉強が楽しい」は小4が算数、理科とも減少し、中2は数学で増え、理科は横ばいだった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます