「安兵衛」から帰った夕方、立ち飲みラリーの京浜東北線編を進めようと旅立った。
赤羽からいよいよ川口にである。
だが、ここで痛恨の過ちを犯す。
県境となっている荒川超えを赤羽駅西口からチャレンジしてしまった。
JR線の架橋は人も通れるものと勘違いしたのだ。
師団坂をのぼり、ぐるりと星美学園を迂回して、荒川に。
だが、無情にもJR線の高架は人が通れないということに気付く。
人が通れる新荒川大橋は遥か向こう、川の下流に見える。
その日はもううんざりして、出直すことにした。
翌日、仕事を終えて、再チャレンジをした。
赤羽駅東口から北本通りへ、そして新荒川大橋を渡る。
夜の橋上は寂しかった。
ごうごうと風が吹き、容赦なくオレを吹き付ける。
時折、橋の下を覗くと、果たしてここが東京と埼玉県の境なのか、と錯覚してしまうほどの寂寥感に見舞われた。
500mはあろうかという長い橋を歩き、大地に降り立つと、東京の空気とは違う臭いを感じた。
風景がゴミゴミしていないのだ。
キューポラはもう見る影もないが、産業通りを折れると整然とした道路が現れる。
明らかに赤羽の風景とは一変する。
しかも、その産業道路はやけに寂しく、立ち飲み屋はおろか居酒屋すらほとんど見かけない。
やがて、駅前に出ると「そごう」のビルが現れ、やや賑やかになってきた。
「そごう」の周囲をぐるりと回りながら居酒屋を物色していると、いともたやすく立ち飲み屋を発見することができた。
いや、特に注意を払っていなければ、見逃してしまうほどの店で、特段外観に「立ち飲み」と表記しているわけでなく、中を注意深く見ながら歩いていたからこそ、発見できたということもある。
店はカウンターのみ。
否、厳密にいえば、奥のほうには座り飲みのスペースがありそう。断定できないのは、この立ち飲みのスペースからは確認できないからである。
だが、奥の方から注文がなされたり、ワイワイガヤガヤと声が聞こえるところをみると、部屋は確実に存在している。
このカウンターがまた狭かった。
人が一人やっと通れるほどのスペースなのだ。
したがって、ここを人が通るとき、立ち飲み者はカウンターに目一杯寄って遣り過ごさなければいけない。
カウンターには客が一人しかいなかった。
「せいこさん」と呼ばれているその女性は一見すると店の店員かと思うほど、店内と同化してみえた。
実際、店の手伝いもしており、かなりの常連であったことは間違いないようだった。
カウンターの向こう側にいるお婆ちゃんに「生ビール」(450円)と「モツ煮こみ」(200円)を頼んだ。
生ビールの値段は極めて普通だが、「煮込み」の値段といったら、さすがに赤羽の立ち飲み屋と比べくもないが、しかしこの200円というのもなかなか出来たもんじゃない。
味も確かで、赤味噌風味にシロがしっかりと煮込まれており、エキスがじっくりシロに染み渡っている。
お店のお婆ちゃんは饒舌で2日後に控えた春の天皇賞の話題で「せいこさん」とおおいに盛り上がっていた。
一方、料理番のお爺ちゃんは黙々と仕事をこなしている。
店は比較的古そうで、しもた屋風の昔ながらの作り。
カウンターの上には保冷器が置いてあり、肴の具がいろいろと保存されている。
メニューはあまり多くなく、素朴な肴を用意してくれるが、いずれも驚くほど安価であった。
生ビールをやっつけて、「酎ハイ」(200円)を頼んだ。
1杯が200円である。
小岩の立ち飲み「くら」は1杯が150円だが、実際は小さなジョッキで出てくる。この店のそれは普通のジョッキだ。
分量からから見れば、この店に軍配はあがるのではないだろうか。
しかし、ホントに安い!
この後、「冷やしトマト」を頼み、「酎ハイ」を3杯ほどお代わりしたが、代金は総額1,650円だった。
その後「せいこさん」とも打ち解け、一人飲みの寂しさはなかったが、競馬とパチンコの話にはちょっとついていけなかった。
帰り際、あちこちの立ち飲みを飲み歩いているというおじさんと話をした。そのおじさんが埼玉県内の立ち飲みで唯一気にいったのが同店なのだという。
確かに、こういうお店が近所にあれば、サッと飲んでサッと帰るのに重宝するだろう。
赤羽からいよいよ川口にである。
だが、ここで痛恨の過ちを犯す。
県境となっている荒川超えを赤羽駅西口からチャレンジしてしまった。
JR線の架橋は人も通れるものと勘違いしたのだ。
師団坂をのぼり、ぐるりと星美学園を迂回して、荒川に。
だが、無情にもJR線の高架は人が通れないということに気付く。
人が通れる新荒川大橋は遥か向こう、川の下流に見える。
その日はもううんざりして、出直すことにした。
翌日、仕事を終えて、再チャレンジをした。
赤羽駅東口から北本通りへ、そして新荒川大橋を渡る。
夜の橋上は寂しかった。
ごうごうと風が吹き、容赦なくオレを吹き付ける。
時折、橋の下を覗くと、果たしてここが東京と埼玉県の境なのか、と錯覚してしまうほどの寂寥感に見舞われた。
500mはあろうかという長い橋を歩き、大地に降り立つと、東京の空気とは違う臭いを感じた。
風景がゴミゴミしていないのだ。
キューポラはもう見る影もないが、産業通りを折れると整然とした道路が現れる。
明らかに赤羽の風景とは一変する。
しかも、その産業道路はやけに寂しく、立ち飲み屋はおろか居酒屋すらほとんど見かけない。
やがて、駅前に出ると「そごう」のビルが現れ、やや賑やかになってきた。
「そごう」の周囲をぐるりと回りながら居酒屋を物色していると、いともたやすく立ち飲み屋を発見することができた。
いや、特に注意を払っていなければ、見逃してしまうほどの店で、特段外観に「立ち飲み」と表記しているわけでなく、中を注意深く見ながら歩いていたからこそ、発見できたということもある。
店はカウンターのみ。
否、厳密にいえば、奥のほうには座り飲みのスペースがありそう。断定できないのは、この立ち飲みのスペースからは確認できないからである。
だが、奥の方から注文がなされたり、ワイワイガヤガヤと声が聞こえるところをみると、部屋は確実に存在している。
このカウンターがまた狭かった。
人が一人やっと通れるほどのスペースなのだ。
したがって、ここを人が通るとき、立ち飲み者はカウンターに目一杯寄って遣り過ごさなければいけない。
カウンターには客が一人しかいなかった。
「せいこさん」と呼ばれているその女性は一見すると店の店員かと思うほど、店内と同化してみえた。
実際、店の手伝いもしており、かなりの常連であったことは間違いないようだった。
カウンターの向こう側にいるお婆ちゃんに「生ビール」(450円)と「モツ煮こみ」(200円)を頼んだ。
生ビールの値段は極めて普通だが、「煮込み」の値段といったら、さすがに赤羽の立ち飲み屋と比べくもないが、しかしこの200円というのもなかなか出来たもんじゃない。
味も確かで、赤味噌風味にシロがしっかりと煮込まれており、エキスがじっくりシロに染み渡っている。
お店のお婆ちゃんは饒舌で2日後に控えた春の天皇賞の話題で「せいこさん」とおおいに盛り上がっていた。
一方、料理番のお爺ちゃんは黙々と仕事をこなしている。
店は比較的古そうで、しもた屋風の昔ながらの作り。
カウンターの上には保冷器が置いてあり、肴の具がいろいろと保存されている。
メニューはあまり多くなく、素朴な肴を用意してくれるが、いずれも驚くほど安価であった。
生ビールをやっつけて、「酎ハイ」(200円)を頼んだ。
1杯が200円である。
小岩の立ち飲み「くら」は1杯が150円だが、実際は小さなジョッキで出てくる。この店のそれは普通のジョッキだ。
分量からから見れば、この店に軍配はあがるのではないだろうか。
しかし、ホントに安い!
この後、「冷やしトマト」を頼み、「酎ハイ」を3杯ほどお代わりしたが、代金は総額1,650円だった。
その後「せいこさん」とも打ち解け、一人飲みの寂しさはなかったが、競馬とパチンコの話にはちょっとついていけなかった。
帰り際、あちこちの立ち飲みを飲み歩いているというおじさんと話をした。そのおじさんが埼玉県内の立ち飲みで唯一気にいったのが同店なのだという。
確かに、こういうお店が近所にあれば、サッと飲んでサッと帰るのに重宝するだろう。
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