
千葉駅で降りるのは何年ぶりだろうか。
千葉駅が巨大化してるのに驚きながら、「浜包丁」という酒場に入る。
広い店舗。やっぱり敷地が豊富な千葉だなって思う。
お座敷だって、20畳ほどもある。
千葉の魚と聞くと、なんだか血がたぎる。
富山とか地形が入り組んだ独特の漁場とは違うが、親潮と黒潮がぶつかる銚子港をはじめとする千葉の魚も特別だ。
また、南房も魚影が濃く、内房の小さな港の食堂は、実は茨城のそれよりも、今や隠れた穴場スポットである。
この千葉市の千葉港も真鰯の釣れるポイントとして有名で、よくポートピア近辺をドライブしながら、釣りにきた。
千葉の魚はちょっと違う。
まずは、生ビールに「鯵タタキ酢なめろう」(500円)。
ビールは「スーパードライ」(450円)に「熟撰」(600円)。もちろん、「熟撰」をチョイス。
今でこそ、「なめろう」はメジャーになったが、元々は千葉の漁師料理である。
あまりのおいしさに皿まで舐めたから「なめろう」と言われるようになったとか、その由来には諸説あるが、「なめろう」は本当においしい。
やっぱり「なめろう」は鯵でなきゃ。
たまに鰯とかあるけれど、絶対に鯵がいい。口の爽やかさがまるで違う。
「刺身五点盛り」。
赤身は中トロ、青ものはひらまさ、真鯛に、そしてヤリイカ。赤身以外は千葉のものかしら。
クライマックスはやっぱり真鯛。南房の天津小湊は日蓮上人のゆかりの地。その昔、日蓮上人の誕生とともに鯛の群れが押し寄せたとか。千葉を味わう上で鯛は外せない。
だが、残念ながら、千葉には優れた酒蔵がない。
せっかく魚がうまいのに、酒に関しては残念だ。
したがって、酒のラインナップも「甲子」「八海山」と無難な銘柄が並ぶ。
わたしは仕方なく「緑茶ハイ」(390円)に切り替えた。
千葉の魚には「ほうぼう」や「メバル」も有名だ。本当はこういう魚で一杯やりたいとこ。
別にカッコつけてカルパッチョとか、そんなの要らないからさ。
そういう点では、この店、ちょっと物足りないかな。
地ものの魚は焼いたり干したりするだけで、ほんとうにおいしいから、こねくり回さず、素材の味を楽しみたいね。
できればさ、地元の酒といっしょにね。
確かに「しお」で飲んだ酒はおいしかった。
先入観はいけないね。