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BASEBALL馬鹿 BLOG

オレたちの「深夜特急」第2便 ~シンガポール編②~

2012-06-28 14:52:18 | オレたちの「深夜特急」
空港を出たわたしは地下鉄に乗り換えた。どこまで行けばいいのか分からないから、初乗りの切符を購入したのである。
この時点で、わたしはシンガポールを少し甘く考えていたのかもしれない。

これまで、どこの国でも簡単に安宿は見つかった。夜中に着くと宿探しは難儀だが、それでも野宿した経験はない。シンガポールの街も問題ないだろうと考えていた。
だが、宿はなかなか見つからず、2時間ほっつき歩き、3時間ほっつき歩くうちに次第にわたしは焦りの色を濃くしていったのである。
ガイドブックなど持っていなかったし、シンガポールの情報も何一つ持ち合わせてなかった。ただ、滅茶苦茶に街を彷徨っていた。それでも、これまではさして困ることもなく、宿を見つけることができたのだ。

時刻は23時を過ぎ、疲労を隠せず、野宿が脳裏をよぎったりしたが、いかんせん街並みがきれいで、どこにも腰掛けるような場所すら探せなかった。

そういえば、随分お腹が空いていることに、わたしはようやく気がついた。カメラを失ったこと、空港のクレーム係のおばちゃんとの言い合いについつい気をとられ、わたしは腹が空いていることさえ、忘れてシンガポールの街並みをほっつき歩いていたのだ。
もう少し冷静だったら、どこかの食堂で腰を落ち着け、タバコを吸いながら、情報を探したことだろう。

食堂に入ろうか、と思いながらもシンガポールは夜のとばりがすっかりおりて、時折タクシーが行き来するだけとなった。
しばらく行くと、ポツンと灯りを点した店が見えてきた。
近寄ってみると、そこはインド料理店だった。店には客がひとりもいなかったが、どうやら営業中のようだった。
わたしは、サブジーのターリーを注文した。注文が来るまで、わたしは店のお兄ちゃんに話しかけてみた。まだ10代と思しきあどけないアーリア系の男の子である。
「泊まるところを探しているけど、知らないか」。
単刀直入に聞いてみると、彼は顔色ひとつ変えず、「このビルの上はホテルだよ。ウチが経営してるんだ」と言った。
やはり、宿を探すときは、まず食堂に行くべきだなと、わたしはひとりごちながら、苦笑いをした。
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2 コメント

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シンガポールは (ふらいんぐふりーまん)
2012-07-03 23:23:26
アジアなんだけど、アジアらしからぬ清潔さと、都会のドライさがある国だよね。

個人的にはあのドライ過ぎる程のドライさがダメだったけど・・・。

俺は大都会って事で、シンガポール入りする前に、ヴェトナムで安宿の情報を仕入れてから行ったんだけど、師はなんも無しで行ったのか。

苦労しながらも、そんな中でしっかり宿を見つけるとは、やるねえ、師よ。

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Unknown (熊猫)
2012-07-04 21:35:37
シンガポールにもドミとかあるの?

あまりにも宿が見つからなかったから、ラッフルズホテルに泊まろうと思ったくらい(笑)。

でも、アジアってどうにかなっちゃうから不思議だよね。
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