
中華料理を除いて、日本で最も多いエスニック料理店はインド・ネパール料理ではないだろうか。
その数、この10年で急増した。そして、インド人の数も。
いや、インド人とは限らない。ネパーリィかもしれないし、パキスタンやスリランカ、或いはバングラデシュ人かもしれない。とにかく、アーリア系の人は急増した。
ボクはインド料理が好きだ。大好きだ。
久しぶりにインド料理を食べようと、街をぶらついていると「ナン、ライス食べ放題」という文字が目に飛び込んできた。
水道橋の駅裏。地下にあるお店にボクは入った。
メニューを繰って戸惑った。
インド風カレーとタイ風カレーの両者が並んでいた。一体どっちなんだ!
かわいらしい女性店員に尋ねると、厨房は皆ネパール人が務めているという。
なのに、何故タイカレーなのだ。
米国の日本料理屋では、韓国系や中国系の人が日本料理を作っているというのをしばしば聞く。日本でも他国のエスニック料理に関しては、そういうことも少なくないのだろうと思った。
そういえば、過日、秋葉原の有名インド料理屋「シディーク」でひどい目にあった。
1階から4階までエスニック系で占められているビルがあり、3階にタイ料理と出ているので、階段を上がろうとしたら、1階のインド料理の店員に呼び止められた。
「1階でいいよ」と彼は言う。いや、「タイ料理に行くんだけど」と言うと、彼は「同じだから」と2回繰り返した。
どうやら、同じお店らしい。この時点で入るのをやめとけばよかったのだが、ボクはなし崩し的に1階で食事をとることにした。
そして、よせばいいのに、ヴェトナムの「フォー・ガ」を頼んでしまった。そのまずいことといったら。
さて、SAPANAだが、そんなわけでここは、インド料理の「ナマステセット」をチョイスした。例によってカレーを2つ選べるらしい。ボクは「ベジタブル」、いわゆるサブジーと「マトン」を選んだ。
ボクが3週間滞在したネパール、そして3か月間放浪したインドにおいて、ナンという食べ物を見たのはただの1回のみである。ナンは高級料理なのだ。それが、日本においては、ナンしか置いていない。ボクはまずそれがけしからんと思う。
ダメ元で、「チャパティはないの?」とお店のお姉さんに尋ねると、「今、いろいろ作っていて、もしかするとお客様用にお出しできるかもしれません」という。楽しみである。
飲み物は「ラッシー」と「チャイ」が選べるという。お店のお姉さんは、ランチにダヒィ(ヨーグルト)がついているから、「ラッシーはかぶる」とおっしゃるので「チャイ」にした。
カレーは辛さが選べるようだ。
辛さは6段階。
状況がよく分からないので、4段階目のものをチョイスした。
ランチは銀のワンプレートのいわゆるターリーだった。ネパールのダルバートではなかった。皿の片隅にはタンドリーチキンが鮮やかなオレンジ色で鎮座している。3個もついているのが嬉しい。
サラダにご飯。ご飯はサフランでやや色がついている。もはや日本ではお馴染みのターリーだった。
味は、本場インドのものよりは日本人向けにマイルドになっているものの、やはりおいしい。
微かにひよこ豆の香りがする。だが、もっとあってもいい。
ボクはインドで初めてターリーを食べたとき、ひよこ豆かレンズ豆の強烈な味わいが苦手であった。特にあのダル。だが、食べているうち、(ターリーしか食べるものがない)少しずつ、好きになっていった。だから、もっと強烈にひよこ豆、れんず豆の香りを出してもらいたいと思う。
ナンもふかふか。ボクは悦に入って、1枚おかわりした。タンドリーチキンも極めて柔らかく、その独特の香りが噛む度に、脳神経を揺さぶった。
インドでボクが食べたタンドリーチキンはただの1度だけだった。これもインドでは高級料理である。
「マトン」のカレーもおいしかった。ボクはネパールの民話「プンクマインチャ」を思い出しながら、マトンの肉をほおばった。もしかすると、これはあの双頭の山羊かもしれないと。
ともあれ、大満足のランチであった。
さすが、1,000円のランチである。マハラジャ気分にさせてくれる。なにしろ、333ルピーのランチである。
「チャイ」を飲みながら、お店をぐるりと見渡した。お酒もあるらしい。「ロキシー」とは蒸留酒のことで、焼酎とほぼ同じである。ただし、焼酎よりも強い。味は中国の白酒に近いかもしれない。ボクはポカラに滞在していた際、友達になったグルン族の曼荼羅の絵描きと毎晩、この強い酒を飲み交わした。そうそう、この若き絵師は、ボクを家に招いてくれ、ダルバートをごちそうしてくれた。酔っぱらって、「日本に行ってみたい」と呟いた彼の顔は今でも忘れられない。
お店のお姉さんに「ロキシーはあるか」と聞いてみた。彼女は「ロキシーはないけれど、「ラム酒」はあるという。それは面白そうだ。
また、このお店はネパール本国でビールを醸造しているらしい。そのビールをこの店で出すという。それもなかなか興味深い。
「チャイ」にはあのこってり感がなかった。
だが、日本のインスタントチャイにありがちな、強烈なシナモン臭もなかった。
この店にはまた来ようと思う。今度はネパールのラム酒とビールを飲んでみたい。
京都でも、インド料理やネパール料理の店が、かなり増えてきている気がする。
ただ、飽和状態だ。完全に需要を超えていると思われる。
その証拠に、淘汰された店が潰れたり、なんとか踏ん張っている店でも、閑古鳥というところも多い。
うちの近所にある全然流行ってないインド料理屋で、開店前にインド人シェフ2名が窓際に座って、話しをしながら頭を抱えてるのを見た事がある。「経営が厳しいんかな?しかし、客に見えるとこで頭を抱えるのはやめろよ。」と思ったことがあるよ。まあ、いかにもインド人らしい気もするけど。
個人的には、本場インドでのあの超安価格が記憶にどうしても残ってるんで、日本での中途半端な日本人向けの味になった「高級・高額インド料理」は、あまり食べる気にならんのだよなあ。って事で、自分はお得価格のランチタイムに利用する位だよ。
なんだかんだで、一般的な日本人はやはり、日本式カレーの方が好きなようにも思うし、カレーショップとしては、日本式カレーの店の方が儲かるんじゃないかなあ・・・。
まあ俺の家では、カレーに日本式ルーを使うことはここ数十年ない。まあ、だしを和風で取ったり、とろみをつけて日本風カレーにすることはあるけどね。
ところで、ブログ名がベースボール馬鹿じゃなくなってるじゃない。まあ、居酒屋メインになっちゃってるから新しい副題の方がしっくりくるけど。
俺のブログも全然飛んでないから、改名しないといけないかもな。
中途半端な日本風味だと思う。
中華料理がほぼ日本のものになったように、アジアのエスニックもアレンジされるのかもしれないね。
インド料理はマーケティング力に欠けていると思う。
実は今日、浜松町でインドランチを食べた。
「スター オブ インディア」というお店。ランチはカレーが3品ついている980円と880円の2種類。前者はナンが食べ放題。後者はナンのおかわりはできないとのこと。
ボクは後者を選んだ。
でも実は「ナン食べ放題」というニーズはあまり日本人は望んでいないと思う。その証拠に数人いたお客のほとんどが880円を頼んでいた。
この設定は、より客単価をあげようという戦略なのかもしれない。だが、ランチに支出が減少している東京にあって、この戦略は無謀だ。
そして、限りなく日本人好みにするカレーと付け合わせにも疑問を感じるよ。
そこまで日本人に合わせていたら、ボクは普通に日本のカレーをチョイスするよ。
ボクは何を求めているか。
それは本格的なターリーだ。
バナナの葉っぱに乗っかったインディカ米のごはんに、マサラがものすごいカレー。そしてダル。アチャールとダヒィがついた本物が食べたい。
今、東京で話題になっているマサラワーラーというユニットがいるんだけれど、なかなか興味深い。もはや、日本化するインド料理は飽きられているという証だと思う。
この「旅するランチ」は、本物を求めて綴っていこうと思う。「居酒屋さすらい」のように訪問店を全て出すのではなくね。
料理の画像を入れたら?という声があるんだけれど、どうかな?
なんか、ありきたりになっちゃいそうでね。イラストでも描こうかなとも思っているんだけれど。
特にアジア料理など、日本人にとってあまり馴染みのない店は、本場の味で勝負するのは難しいんじゃないかな。かなり独特な味や素材のものがあるからね。
アジアの各国料理に俺達が本場の味を求めるのも、アジア諸国に行ってその味に慣れ、美味いと思ったからだと思う。本場そのままの味だと、多くの日本人の口には合わないんじゃないかな。俺も旅に出るまではパクチーとか食えなかったからなあ。
日本の一般家庭に馴染んできている中華や西洋料理も、日本人向けにアレンジして店で提供されたからこそ、現在では一般家庭にも浸透してきたという部分があるだろうからね。
以前、インド人だけでやってるインド料理屋に行ったら、かなりインドっぽい本場感のある料理で、まずまず美味いんだけど、濃い味で油ギッシュだったから、日本で食べるにはきついなあという感じのものが出てきた。
これは流行らんだろうなと思ったら、数ヵ月後に閉店してたよ。
気候や風土などの問題もあって、そのまま現地の料理を再現というのも難しいことがあるなと思ったね。
けど、あまりにも日本人に合わせてもねえ・・・。ホント難しいところだね。
とか、俺自身この文章、矛盾した支離滅裂なこと書いてるもんなあ。
けど、アジア系の料理を売りにするなら、やっぱり出来る限り本場の味を提供して欲しいとも思う。アレンジしすぎたら、それはもはやアジア料理ではない気がするから。
って事で、このコーナーで師が本格店を探求するのには大いに賛成だよ。本格アジア料理好きが認める本場の味の店、いいんじゃないかな。
あと、料理の画像とかイラストとかはどうだろうね。本格的なスパイスとか素材、味の描写だけでも、本場志向の店であると分かるんじゃないかと思うから、あえてない方が面白いようにも思うけどね。
師があの「本場のターリー」を見つける事に大いに期待してるよ。
アジアを旅する人はますます多くなっているよ。アジアは一部の限られた人が行くところではないよ。
自分が行く最高においしいタイ料理屋(次週紹介予定)はお客の8割が女性だ。その多くは、ほとんどがタイへの渡航経験があるという感じだ。
そのタイ料理屋は、本当においしい。カオサンの裏手にあるぶっかけとは違うが、本物のに忠実だ。
また、今自分が一押しのインド料理屋も女性客が少なくない。その女性らはなんとなく胡散臭い感じで、かなりの確率でインド渡航経験があるような雰囲気だ。
これらを目の当たりにして、より本物志向が強いと感じている。
確かに師の指摘するとおり、本場のものと変わらないものを提供することは不可能だろう。でも、日本化にベクトルを合わせるのではなく、本場志向にベクトルを合わせることが必要ではないかと思うのだ。
それで初めて、価格と釣り合ってくるのかなと思う。
インド料理のランチは高額だ。
この1か月で食べたインド料理屋さん4軒の平均価格は820円だよ。
タイ料理屋がそうであったように、近い将来多くのインド料理屋が淘汰されると思うよ。
今のまま、すなわち本場とは程遠いインドカレーのままならばね。