
代々木公園駅近くにある某企業の帰り道、最近は歩いて渋谷に出ることにしている。いろんな発見があるし、立ち飲みラリーの続きもできるし。「丸木屋酒店」を発見したのは数ヶ月前(「居酒屋さすらい」未収録)。店舗沿いの道は暗渠になっていて、この渋谷の谷に小川が注いでいたのかと想像を巡らせる。「丸木屋酒店」の先にも立ち飲みの「あばら家」があって、この日も営業していた。中に入るかどうか、店内を伺っていると店内にいた客が不審そうに睨んでいるのでやめた。
パルコは休業中。すなわち地階にある立ち飲みも休み。昼飯を食べていないので、ひどく腹が減っている。「兆楽」で「ルースー丼」にするかと思い、行ってみるとやはり休業。そういや、さっき「四文屋」が開いていたっけ。最悪の場合の保険にしておくか。
東横線の駅下にある立ち飲み屋を目指した。「天天米線」が閉店した後、また立ち飲み屋がオープンしていた。だが、店は休業。仕方ない。「四文屋」に戻るかと道玄坂を横断。ほとんどの店が閉まっている。立ちそばの「吉そば」は営業。かつて怪鳥と行った台湾料理の「麗郷」は休業。おや、「麗郷」の手前にある「恋文酒場 かっぱ」は営業している。店内を覗くと立って飲んでいる人もいる。
どうすっか。
「四文屋」でもつ焼きと梅割りをいただくのも悪くはない。さんざん悩んで、「かっぱ」に入ることにした。そもそも渋谷には立ち飲みしに来たのだから。
「恋文酒場」は、かつて渋谷にあった恋文横丁から由来しているのか。109の後ろ側にあったと言われる小路の恋文横丁。戦後、帰国した占領軍の兵士に手紙を出す女性の代筆をした人がいたという。だが、今その背後にはラブホテルが建ち並ぶ。ラブレターとラブホテルは表裏一体だ。
17時過ぎの店内は先客2名。店内手前側が座り、中央の厨房に沿ったカウンターが立ち飲み。そして奥はテーブル席。多分、手前側も昔は立ち飲みだったのではないか。椅子がスツールだし。とりあえず、そのエリアを通りすぎ、厨房のカウンターにポジション。目の前は厨房だが、ちょうど右手に水槽があって、熱帯魚とエビが泳いでいる。
まずは「酎ハイ」(330円)から。
お店は若いお兄さんが2人で切り盛りしている。「ポテトサラダ」(330円)と「ハムカツ」(330円)をオーダー。ポテサラは手作りのややねっちょり系。色は白くて、味は甘い。
もしやさつまいもを使っているのかと思わせるほどに甘い。しかし、渋谷のこの場所で、この価格帯は安い。「酎ハイ」は量が少ないが、こんなものだろう。
2人の先客が帰り、いよいよ一人きりになったかと思いきや、急に大人数の客が入ってきた。若い客が5名、奥の座席に陣取った。
「ハムカツ」は揚げたてのほくほく。しかも大きめのハムカツが2枚も!
意外にもうまい。渋谷の居酒屋に大きな期待を寄せていなかっただけに、「かっぱ」の実力はちょっとサプライズだった。
だが、この大人数の若者らが入店してきたことで風向きが変わった。彼らが喫煙者だったからだ。数人の若者がたばこを吸っているようで、その煙がもろに自分の方まできた。
あれ?この店は禁煙ではないのか。「恋文酒場」は渋谷に3店舗ある。従業員を雇っているはずだ。それともこの2人のスタッフが経営者で、かつ家族関係にあるとか。それとも、店の奥のテーブル席を喫煙可能室としたか。そういえば、この立ち飲みのカウンターには灰皿らしきものはない。果たして。
これまで、居酒屋ではあまりたばこは気にならなかったが、今回はちょっと。2杯目の「酎ハイ」で終了。まだちょっと飲み足りないけど、これにて終了。飲み物、肴と申し分なかったが、たばこに燻られる形で店を後にした。
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