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居酒屋さすらひ 2112 - 敷居は高いか - 「ひととなり」(台東区寿)

2024-06-06 12:12:42 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

怪鳥との打ち合わせが終わり、さて夜の街へとなるが、怪鳥を誘うとあっさり一蹴された。この日の怪鳥は重要な記念日だったのである。そこで一人飲みとなる訳だが、怪鳥の会社の社内で、どの店に行くのがいいか、あれこれ議論になった。こういうのは、その地域を知る人に聞くのが一番いい。

怪鳥の会社社長のおすすめは「やきとり 寿樹」。

道順を教えてもらい、出かけてみたが、該当する店が見つからない。一応それらしき店舗はあるが、店は営っておらず、店舗の外観には看板すらないので、この店が「寿樹」かどうかも分からない。

怪鳥に写メすると、どうも件の店が「寿樹」らしい。休みなのか、それともまだ開店前なのか。店舗に近づいて、中の様子を窺うが、支度をしているように感じない。きっとこの日は休みなのだろう。そう思い、次の店へ向かった。次の候補はすぐ近所にあった。

「ひととなり」。

立ち飲み屋である。

以前、一度行ったら「今日は休みなんです」と断られた。実は休みではなく、人となりを見られたのかと思った。この日はそんなことはなく、入店することができた。厨房前のカウンターにポジション。先客はおっさん一人。

メニューは壁に貼られた短冊とカウンターに備えられたパウチメニュー。飲み物も料理も豊富だ。さて、どうすっか。目の前が厨房だから、オーダー圧を微妙に感じる。

「ホッピー 白」。

「三冷でいいですか?」。

お、三冷? 珍しいな。それしかないなら、仕方ない。

一杯で終わっちゃうが、氷のない「ホッピー」本来の味が楽しめる。これが550円。おつまみに「ポテサラ」(380円)をいただく。

店主は自分より若く、ちょっと話しかけにくいオーラを出している。

「ポテサラ」は王道を行く、オーソドックスな味わい。マヨネーズと卵は抑え気味というあんばい。

やがて、一人の女子が入ってきた。自分の右側に立つ。まだ20代と思しき容貌。店主と話しをはじめた。どうやら常連さんだ。しばらくすると、また女子が入ってきた。自分の左側に立つ。そして、またお喋りの花が咲く。ここは女子に人気のお店なのか。ただ、女子2人に挟まれる中、話しに入っていけない自分はこの時点で居心地の悪さを感じてきた。

ここで、飲み物をスイッチ。

「焼酎ハイボール」(400円)と「レバカツ」(280円)を追加。いわゆるプレーン酎ハイは「キンミヤサワー」(400円)であり、それとは別に、下町エキス入りの酎ハイもあるところが憎い。

そして、これがまたうまい。

すると、また女子が入店してきた。その子は客ではなく、バイトだった。やがて、その子も含めて、お喋り大会が始まった。真ん中にいるのに、自分は蚊帳の外。これは結構辛い。

話しの内容は女子立ち飲み事情である。店主が言うには、「浅草の『洒落者』の常連の子が言うには、ウチは敷居が高いらしい」。それについて、客の女子らも意見する。「それはあるかも」。

自分も心の中で話題に入った。

「洒落者」は入店までの敷居は高いかも。けれど、店に入ってからは優しい。一方、「ひととなり」は入店のハードルは低い。そして今、自分は面倒な状況に追い込まれている。敷居を作っているのって、結局常連なんだと思う。これは生き物の習性で、いわゆる縄張りみたいなものだから、仕方ないと思う。ただ、こういうご時世に女子が多いと難しい。

飲み物のラインナップは断然オヤジ好み。料理も立ち飲みの名店のエッセンスを汲む。そして女子が集う。

酎ハイはうまく、タンブラーの半分にまで減った時、気がついた。店主が話しに夢中になって、自分の「レバカツ」を調理していないことに。居心地悪いし、この一杯で帰るか。ただ、伝票につけられていても困るので、一応指摘した。

「レバカツ、来てないんだけど」。

店主は平謝り。酎ハイ一杯分を無料にしてくれた。会計は1,000円でお釣りがきた。純粋に再訪したいと思う店だった。けれど、ガールズトークのど真ん中には入りたくない。

でも、またいつか。機会があれば。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (qootes)
2024-06-06 12:43:28
「ある!ある!ある!」と心で叫びながら読みました(笑)。

蔵前ー浅草あたりは若い人が常連のお店も増えてきているので、外からは判断がつきにくいことが多々ありますね。
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Unknown (熊猫)
2024-06-06 17:58:26
立ち飲み女子がこんなに普通になっているのに驚きでした。

酒場の細かい描写なんて、どうでもいいと思いますが、読んでいただき感謝です。
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Unknown (怪鳥)
2024-06-07 10:49:50
その日は休みだった寿樹はなぜか若い韓国人観光客が多いんだよね。
マスターが無口だから常連でワイワイ、はなくて入れれば居心地が良いし安くて旨いです。ただ、喫煙可が玉にキズ。
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Unknown (熊猫)
2024-06-07 11:41:35
韓国のロンリープラネットとかに載ってるのかねー。
喫煙可はきついけど、今度行きましょう。
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Unknown (ジャン)
2024-06-07 19:04:54
高崎で何回もそういう空気に出くわしました。
東京と違って歩いてる客が少なくて、店の客も顔ぶれが限定されちゃって、常連意識が昂じてお友達になっちゃうんですよ。
そこだけで盛り上がってました。それが地方(失礼)の店のいいところなのかもしれませんが。
常連も一見も分け隔てないプロの店は少なかったように思います。
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Unknown (熊猫)
2024-06-08 07:36:27
ジャンさん。
おはようございます。

地方だとそうなりますね。それが自然です。
となると、酒場はパプリックというか、寄り合い機能なのでしょうか。

>常連も一見も分け隔てないプロの店

これはお店の人の技術なんですよね。
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