「ひととなり」で一品しか食べてないから、お腹は満たされない。もう一軒行こうかと歩いていたら、微妙な中華を見つけた。
「食楽」。
情報誌みたいな屋号。しかも看板は自作している風。
まぁ、ここでいいか、という感じ。中国人中華である。店内は変わった作りで、一階がほぼ機能していない。2階に通されてテーブルについた。
お店は空いていた。若いカップルがひと組だけいた。
「紹興酒」のグラスと「腸詰」をオーダー。
すると、「紹興酒」と何故か「サラダ」が出てくる。このサラダ、お通しなのかしら。
厨房が一階にあり、わざわざお店のお母さんが階段を昇り、オーダーを出してくる。結構難儀な仕事である。
「紹興酒」は常温でいただいたが、ざらめをもらった。疲れているのか、甘いものが欲しい。
やがて、「腸詰」が届けられ、オーダーが揃った。
その「腸詰」が意外にもおいしかった。意外というのも失礼だが、正直どんなものが出てくるか、一抹の不安があったのも事実。それだけお店の外観が心許なかったのでらある。
お店のお母さんはオーダーのデリバリーを終えると一階へと引っ込んでしまう。お店の人を呼ぶのにブザーのようなものはないから、2階から階下に向かってお母さんを呼ばなければならない。
「紹興酒」のおかわりがしたい。そこで、階段の上に立ち、階下に向かって声を出した。
一瞬、中国人がよく言う、「ふーゆえーん!」と言おうかと思ったがやめた。
「お願いしまーす」。
自分、居酒屋などて、お店を呼ぶときに「すみません」と言ったことがない。あえて使わないようにしている。理由は特にないけど、ありきたりの言葉を使って、お店の人と客の関係にならないようにしているため。
すると、階段の下にお母さんが現れた。
「紹興酒、おかわりね」。
「はい」。
こんなやりとりで、「紹興酒」を追加し、やがてお母さんが階段を使ってお酒を届けてくれた。
近年、タッチパネルの店が幅をきかせている。正直嫌だなと思う。でも、オーダーするのに、いちいち階下に向かって叫ぶのもちょっとね。ランチ時とか忙しい時はどうしてるのかしら。
さすが中国。
でも、自分はタッチパネルより、こっちの方が断然好きだな。
日本人の町中華とは全く異なる中華は、いろんなサプライズがあって面白い。
うちの会社の人間は誰も行ったこと無いぞう。
確か隣にも中華があったような・・・・・。
面白いよ。浅草界隈。