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居酒屋さすらい 0499 - 290円でもクオリティは悪くない - 「愉快酒場」(大田区蒲田)

2011-12-31 12:07:05 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
原発渦の中、子どもたちを暫く、妻の実家に疎開させようと羽田まで見送りに行った。
その帰りに例によって蒲田の蒲田温泉でお風呂に入り、酒を飲むことに。
さて、どこへ行こうかと思案して、まだ行ったことのない池上の「蒲田屋」に行ってみようと決心した。
そして、遠路はるばる池上まで1時間以上歩き、ようやく「蒲田屋」のドアを開けてみると、なんと大勢の女性が店内にいらっしゃる。これはどうしたことかと目を白黒させていると、お店の人が出てきて「本日は貸切です」ときた。
1時間以上も歩いたのに…。

仕方ないから、蒲田まで電車で戻り、昼間から開いている居酒屋を探す。
蒲田で昼間から飲める店といえば、「とり薪」「信濃路」か。だが、ここは新規開拓を果たしたい。そこで、また延々と30分程度、JR蒲田駅の東側を攻めるのだが、店が見つからない。
そして、やっと見つけた店が「愉快酒場」という、ちょっと軽目のお店。
背に腹は変えられないので、とりあえず入ることにした。
「軽目の」という表現は、最近街でよく見かける「270円均一」とか「300円均一」とかいうチェーン系の店。
この店「290円」がひとつのウリのようだ。

だが、店はどうやら昼間から開店という雰囲気ではなく、ランチの時間といった方が適当のようである。
何故ならば、メニューがランチのもので出てきたからだ。
だが、「お酒飲めないのですか」と女性の店員に聞くと、奥から居酒屋のメニュー表がしっかりと出てきたのである。

まずは「ワンコインセット」というものを頼んでみる。
500円で飲み物と3種類のつまみがついたものだ。
飲み物は生ビールのスーパードライ。これにつまみが「大根漬け」「イカキムチ」そして「ホタルイカ」の3品がひとつのプレートに盛り付けられて出てくるのである。
これが、思いもせず素晴らしかった。
酒のつまみにいいものをちょびっとずつ出す。これはなかなか憎い演出である。

ビールの290円も悪くない。
ジョッキはややこぶりで「生中」というのも怪しいものだが、しかし290円でビールが飲める店はなかなかない。

2杯目は「チューハイ」。
これも同じジョッキで290円。
結局、この後、調子に乗って「チューハイ」を2杯お代わりするのだが、肴は「ハムカツ」「竹の子土佐煮」「皮付きポテトフライ」と立て続けに頼んでしまった。
全てのメニューが290円かと思いきや「ハムカツ」だけが390円であり、どうやら中には390円のメニューも存在するらしい。

店の雰囲気は少しチャチ。
だが、価格競争を仕掛けている分、これは致し方ないところ。
頭上には薄型テレビが掛けられ、春の番組改変のバラエティが大音量で流されている。
CMは相変わらずACのみ。

肴の味のクオリティは悪くない。
メニューを見れば、「どて焼き」だとか「オムたこ焼き」だとか、関西テイストのものが並ぶ。もしかすると、関西を中心としたチェーン店なのかもしれない。
それならば、話は簡単だ。
食いだおれの街で揉まれたコストパフォーマンスをいかんなく発揮しているからではないか。
関西風だから、ホッピーはないけれど、それでも頭の片隅にいれておきたい店のひとつではある。
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