来月開催の展示会ブース作りを請け負い、T社S部長との会合。前月、コンペで自分への発注はないと言われながら、同社A野社長からの鶴の一声で逆転受注となった。この日はその打ち合わせである。酒でもどうかと誘われたが、この日夕方から赤羽でP社と打ち合わせをしなければならず、「あんみつでもどうですか」と誘ったところ、S部長は快く応じてくれたのだった。
上野駅ナカの「みはし」。
上野だけでなく、東京を代表するあんみつ屋である。そもそももうあんみつ屋というお店自体が絶滅危惧種だ。
本店は上野のお山の裾野。ABABの並びでいつも店は賑わう。
「みはし」の店名の由来は不忍川にかかっていた3本の橋。旧町名は上野三橋である。恐らく、ストリップのオークラ劇場前の細い小路がかつての不忍川だったと思われる。「みはし」の目の前に恐らく3つの橋がかかっていたのではないだろうか。
その老舗の「みはし」が上野駅に出店した。今回はそのお店にチェックインである。
店内はご年配の女子で満席状態。少し待って席を確保できたほど。あんみつ屋恐るべし。
ごくごく、オーソドックスの「あんみつ」は620円。この他にも「クリームあんみつ」、「白玉あんみつ」などがラインナップ。その奥は実に広い。
やがて運ばれてきた「あんみつ」はクリームに小倉、フルーツがたっぷり。
彦麻呂さんの月並みな言葉だが、まさに「宝石箱」。これはもう上野の至宝だ。その輝くジュエリーを前にしてまずは目で「あんみつ」をいただき、そしてスプーンを手に取る。手をつけてしまうのがもったいないような気にもなるが、思い切ってスプーンをさすと、後はもう早かった。
S部長と合流する前に、宝石は空っぽになっていた。
上野は今アメ横にばかり、フォーカスされる。
けれど、かつて最も賑わった広小路こそかつての上野がある。その上野を今に伝えるのが「みはし」であり、上野の玄関でもその「あんみつ」をいただけるのだ。
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