
立ち飲みラリー東西線編は浦安からのリスタートである。
東西線浦安駅唯一(当時)の「立ち呑み ばんちょう」は、もはや今はなく、西船橋に移転したという。過日、西船に行く用事があったので、探してみると確かに店は存在した。
さて、南行徳まで歩くとするか。
かつて、ボクが住んだ街。6年ぶりに浦安を歩く。
ロータリーを背にして細い小道。かつて、ここは舞浜駅が出来る前、ディズニーランド行きのバスターミナルに行く近道だった。
小道は今も賑やかで、居酒屋「三ぶちゃん」は健在だった。確か、吉田類さんが酒場放浪記で「三ぶちゃん」を紹介していたっけ。
次の十字路を左に曲がった。かつてボクが勤めた職場への道である。
醍醐ホテルを過ぎ、東西線の高架が頭上にかかる。この高架下にあった店はかつて、ドラッグストアだったが、「100円ローソン」になっていた。
街並みが変わっている。
更に、東西線の高架をくぐると、右手にきれいな住宅が3棟出来ていた。
「昔ここなんだったっけ?」などと思いながら歩いていると、そのうちの一軒がお店になっていた。
「コロッケの丸屋」と書いてある。
「こんな店が出来たのか」と思い、ボクは店を通り過ぎた。
それにしても「コロッケ」だけで勝負する店とはすごい。見たところ、チェーン展開という趣でもなく、個人経営の店でコロッケ一本というところにインパクトがある。コロッケといっても今やコンビニでも温かいものが買える。単価が低いだけに、相当なボリュームを捌かなければ、売上は見込めないだろう。
持ち帰りの店なのだろうか。
そう思うと気になって仕方がない。
ちょっと覗いて見てみよう。そう思い、ボクは踵を返した。
店の前まで来ると、店内には座って食べるスペースが見えた。
「中でも食べられる」
店に入ってみることにした。
5人も入れば、満員の激狭の店。サンドウィッチマンが喜びそうな。
ドアを開けて、恐る恐る「ビールありますか?」と店の人に尋ねると、「缶ビールならありますが」と返ってきた。
缶ビールなら御の字だ。
「MARUYAコロッケが1個60円。球形でこぶりながらこれは安い。早速かぶりついてみると、サクサク、ホクホク。
これはおいしい。
ボクは平生、ビールにあう肴はあげものだと思っている。
もちろん、コロッケも。肉屋で食べうる熱々のコロッケのおいしいことと言ったら。
だが、この店のコロッケといったら、肉屋に負けず劣らず、素晴らしい。
ボクはアッと言う間に3個を食べ終わったが、物足りない顔をしていたのだろうか。
店主は「カレーはいかがですか」という。これは見逃す手はない。
「特製スパイシーカレーライス」(550円)。まさか、カレーが食べられるとは思ってもいなかった。
これがうまかった。
スパイシーかどうかはさておき、カレー本来の味。
あぁ、ここに来て良かった。
もし、あのままただ通り過ぎてしまっていたら、ボクはこの出会いに気付くことはなかった。
コロッケの専門店。
何故、ボクが越した後にできたのか。ちょっと悔しいじゃないか。
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