「未来系酒場」で2杯目の日本酒をいただいている頃から、次の展開を考えた。昼飯を食べないまま、日本酒は五臓六腑にガツンときた。次は腹のたまるものを食べながら、飲む展開に持ち込みたかった。ならば町中華しかあるまい。怪鳥にメールをして、渋谷の町中華情報をきく。
すると。
「兆楽、麗郷、長崎飯店は相席確実だなあ。
王将、喜楽はラーメン屋かあ。食堂かいどうも無いしー。少なくなったなあ」
と返ってきた。
「麗郷」はここから近いけど、町中華とは言えない。どっちかと言えばガチだ。「長崎飯店」は雰囲気がいいけどいかんせん遠い。たっぷり15分は歩く。ならば「兆楽」か。怪鳥はその後、道玄坂の店ならゆっくり飲めるのではとアドバイスしてくれた。それならばと道玄坂の店舗を目指して歩いていると見覚えのある場所に出た。そこに「兆楽」があったのだ。その瞬間、30年前の記憶が甦る。あれは専門学校の卒業後の飲み会。確かG龍先生もいたっけ。センター街のど真ん中。「兆楽」の前で飲み会を開き、飲み会が終わった後、しばらくこの「兆楽」の前でみんなと話をしたっけ。そっか、ここが「兆楽」だったか。
店内を覗くと客は一人しかなく、これはチャンスと店に入った。渋谷センター街のど真ん中。そこに町中華、「兆楽」が今も残っているというのは、もしかすると現代の奇跡なのかも。
まずは、「紹興酒」をオーダーし、いきなり臨戦体制に突入した。
まず、最初のつまみは「餃子」から。
なんとこれが、僅か220円。渋谷のしかもセンター街の真ん中の店なのに、この値段とは。恐るべし、「兆楽」。その「餃子」をつまみながら、店内の短冊メニューを眺める。いずれも安価でメニューが多い。食べたいものだらけだ。とりわけ、目をひいたのが、「ルースゎー」。多分、肉絲のことだと思うのだが、これが様々なメニューに応用された、いわゆるシリーズになっている。これが、「兆楽」の名物かと思わせる一品である。
17時をすぎると客がドカドカと入ってきた。若い奴が一人で入店してくる。さすが渋谷のど真ん中。
しかし、不覚ながら腹がいっぱいになってきた。「紹興酒」をおかわりして、〆は「炒飯」。だが、ここでまたもやマジックが!なんとオーダーから20秒弱で「炒飯」が眼前に差し出された。
なんとも早い提供スピード。しかし、早いだけではない。味もまた確か。長らく、渋谷の若者らに愛されるのもよく分かる。「兆楽」はまさに、センター街の奇跡だ。
兆楽のチャーハンは、親分格の男性が光栄軒ばりにご飯を多く炒めておいて、注文が入ったら再度その分だけ炒め直すんですよ。だから速いのです。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2016-11-10
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2016-04-14
荒っぽい厨房の人間ドラマが楽しかったです。
モノノフさん。
自分はかねてより、中華最強説というのを唱えています。和食と日本酒というのもいいのですが、堅苦しくない中華はビール、紹興酒、酎ハイなんでも合って、しかもハズレなし。そして中華最強というのはもうひとつ意味があって、どこの国にも必ずチャイナタウンがあること。昔タヒチに行ったときも、ルトラックとよばれる屋台かあり、華僑が中心に店をやっていました。どこでも逞しく生きる中国人と、どこに行っても中華がありつけるという意味も込めて、中華最強説を唱えています。
道玄坂店は比較的新しいようです。その道玄坂店のご近所の「ラーメン王後楽本舗」のチャーハンはここのより
美味しい気がします。作り置きして無いせいかもね~。でも食券制なんで呑める雰囲気じゃないんだよねえ。
「ラーメン王 後楽本舗」。
これはまた聞いたことがない店だなぁ。なるほど、ラーメンだけじゃないんだね。
立ち飲みラリーはまだ渋谷だから、しばらく今後も渋谷はうろつきます。