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居酒屋さすらい 0925 - 特急待ちの罠 - 「くつろぎの里 庄や」(足利市新山町)

2015-10-24 06:54:43 | 居酒屋さすらい ◆地方版

足利市で仕事を終え、足利市駅に行ってみると、有料特急は発車したばかりだった。

次は1時間後である。

そういう客のために存在するのか分からないが、駅の構内に居酒屋がある。

今となっては懐かしい。黄色の看板、「庄や」だ。

なんてこった。喫茶店ではなく、何故に居酒屋なのか。

仕事を終えて、喉はからから。1時間という時間は、決して短くない。今日は、取材で歩き回った。ちょっと、どこかに座りたい。

すべての言葉が言い訳になる。

そう、この勝負、あんたの勝ちだ。「庄や」さんよ。

 

居酒屋チェーン店の第一世代。

「養老の滝」、「村さ来」などと並ぶ古参の店。「はい、よろこんで」で、一世を風靡した「庄や」は今やほとんど街で見かけない。ほとんどの店が新たなCIの下、看板をかけ変えた。

しかし、居酒屋チェーン店の第一世代は、いずれも民芸調である。いわゆるテーマパークやコンセプトショップのはしりだと思うのだが、時代は、田舎回帰、田舎へのノスタルジーに傾斜する流れにあったといえるだろう。

 

ともあれ、ボクは暖簾をくぐった。そして、カウンターの手前に座り、目の前にいる板前風の男に「生ビール」と告げた。

 

1時間をどう有効に使おうか。いや、出発の5分前にはホームにいたい。居酒屋の会計やホームへの移動を考えると、時間は50分間しかない。

「すぐ出てくるものをください」。

ボクは板前に懇願した。

すると、「たこキムチ」(380円)が、出てきた。「冷しトマト」(300円)が出てきた。

早すぎじゃね~か。

やはり、ボクははまっているのだろうか。「庄や」の罠に。

 

だって、出来すぎじゃないか。

特急を逃したら、次の電車まで一時間待つ、すると目の前に居酒屋がある。そこに入ると、ビールとあてが、まるで仕組まれたかのように出てくる。

 そうか。これは仕組まれているのか。

まるで、竜宮城。

店から出たら、何百年も経っていたりして。


多分、こういう輩は少なくないのだろう。

特急を逃して、吸い込まれるように、生ビールを飲むやつは。

どうせなら「特急待ちセット」とか作ってみてはいかがだろうか。

 

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