「はなれ」がつまらなくて、早めに切り上げたから、まだ飲み足りない。あぁ、なんだか「ホッピー」が飲みたいな。この流れなら、「香港亭」である。東十条店なら、5分もあれば着く。ところが、例によって、また営ってない。この店はとにかく休みが多いのだ。ならば、仕方ない。十条の「香港亭」に行くかと、東十条駅の南口側から回った。演芸通り商店街を歩き、埼京線の踏み切り手前まで来た時、「イサーン」の看板に灯りが灯っているのが見えた。一瞬、気持ちがぐらついた。久しぶりに「イサーン」に行くのも悪くはないな。けれど、「香港亭」は既定路線。そのまま踏み切りを渡って「香港亭」に入った。
お客さんは一人。テーブルに腰掛けて、店員さんが来るのを待つ。店員さんは居るのに、なかなか自分の所に来てくれない。そのうち、もう一人のお客さんが会計するために席を立つと、店員さんはレジへ向かった。あまりにも動作が遅いので、なんだか面倒くさくなり、店を出た。目指すお店は「イサーン」。「ホッピー」でタイ料理も悪くはない。
久しぶりに「イサーン」の扉を開けた。客は一人。自分は手前側のカウンターに座り、「ホッピー」白をオーダーした。ママももう一人の店員さんも、変わらずに働いていた。
「ホッピー」を運んできたママに「2年ぶりです」と言うと、「お客さん、減っちゃってね」とこぼした。後で調べたら、「イサーン」への訪問は5年ぶりだった。
壁に飾られた写真は、常連たちとの会合か。ものすごい数の人が写真に収まっている。この常連さんも今やその数を減らしているらしい。
つまみは「ソムタム」から。
青パパイヤはこの界隈では手に入らないから、「ソムタム」をいただけるのは貴重だ。ただ、壁に飾られたメニューを眺めていると、ほとんどが値上げをしているようだ。かつては大抵のメニューなら一品400円だったが、既に今は昔。500円になっているものもあれば、中には600円というのもある。
タイ料理は案外高価だけど、「イサーン」は例え少量でも安価だったから、気に入っていたが、この価格帯ならタイ料理屋さんと変わらないかなとも思える。利点はいろんな酒が飲めること。とりわけ、「ホッピー」が飲める点くらいか。
ただ、目の前で作ってくれるママの料理はおいしい。これも「イサーン」のアドバンテージである。
さて、〆は何にしようか。もし、「香港亭」に行っていれば、「炒飯」だったはず。ならば、「カオパッド」か。それも悪くはない。ただ、せっかく「イサーン」に来たのだから、なかなか食べられないものがいい。熟考して「パッタイ」にした。いわゆる焼きそばである。我が家でも何回か「パッタイをこしらえたが、いかんせんナンプラーが嫌いな子がいるので、それ以来作れなくなった。食べたいなと最近思っていたのである。
ママの「パッタイ」も抜群にうまい。こうしてなんでも調理できるママは本当にすごい。随分昔、タイの家庭料理なるお店に行ったことがあった。確か吉祥寺にあるお店だったか(「エスニックさすらひ」未収録確かに気取らない料理の数々はおいしかったが、いかんせん値段が高かった。全然家庭的ではないのだ。けれど「イサーン」は断然家庭的である。多少高くなってもその存在は貴重だ。特にタイ料理好きな自分としては。
これからは「香港亭」と併用かなと思い、お店を後にした。
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