東十条で並ぶラーメン屋さんといえば、「ほん田」が最も有名だ。並ぶのが嫌いな自分だが、一度目の前を通ったら、全くお客さんが並んでいなかったので、入ってみた(「中華さすらひ」未収録)。もう随分昔のことである。その東十条の一強体制に割って入ったのが、「机上の空論」だった。ただ、並んでいる人数は「ほん田」の方が圧倒的に多いのだが、お店の前を通ると、人の列が絶えることはない。
その「机上の空論」だが、一年くらい前に事件が起きた。店舗が何者かによって破壊されたのだ。ドアはめちゃくちゃ、ガラスも割られ、酷い惨状になった。しばらく、店舗には非常線がはられ、その後数ヶ月店舗はそのままだった。お店の再開はないのかなと思い始めた頃、店が再建に向けて動きだした。再開したのはまだ最近である。
息子が冬休みに入ったある日、昼ごはんに牛丼とかとう? と訊くと、息子は、「机上の空論」に行きたいと言い出した。息子は最近、ラーメンにハマり始めているようだ。「ラーメンを食べたい」とは思わなかったが、息子とラーメン屋に行く機会なんて、なかなかないから、「よし行くか!」と返事した。ただ、12時過ぎるとだいぶ並ばなきゃならないので、開店の11時半をめざそうとなった。その時間に店に行くと、さすがに行列はなかったが、すでに3人のお客さんが席に着いていた。
券売機の前に立ち、しばし眺める。
まずは、スタンダードな「中華そば」(900円)だろう。息子もそれにするという。お手並み拝見。チケットを買ってカウンター上に置く。
タワー上にした丼に熱湯を注ぐ。丼を温める儀式なのだろうか。調理は一杯ないし二杯を丁寧に作る。時間は要するが、その清廉な丁寧長い仕事ぶりに心を打たれる。そして出来上がった中華そばの美しさといったら。麺の配置も整えて美しさは際立つ。まるで一つの芸術品でも見るようなラーメンだ。
「中華そば」が示すように、その味はノスタルジーと現代の邂逅だった。昔なかわらの中華そばよりは味が濃い。その分、スープにエッジが効いている。
分厚いチャーシューに青菜、ねぎと海苔にナルトがオン。バランスがいい。だが気がつけば、あっという間にラーメンをたいらげ、スープを飲む。少しずつまだるっこしくなって、丼を両手であげたら、くっついていた下に敷いた皿がカウンターな落下して落っこちた。これで一見だということがバレたな。
ともあれ、一杯の重みを感じるラーメンだった。お店を出た後、しばらく訪れる満足感。お客さんが絶えないのもよく理解できた。
食べログの点数、「ほん田」3.69。「机上の空論」3.69で同率。東十条のもう一つの名店である。
その報道の際には全く気付かなかった・・・・。
自分も良くあの界隈に出向いていた頃は何度か前を通ったけど、結局あづま軒に入ってたな~。
知らなかった。
結局、容疑者は捕まってないのかしら。
近隣の他の店舗には気概は加えられておらず、完全に狙われていたって感じ。復活したのが素晴らしい。
自分が、店主なら心が折れてるかも。
きっと、雇われてた人の恨みとかなんだろうな~、と思ったのをよく覚えています。
店主も犯人の目星が付いていれば立ち直れそうだけど、全く分からないと辛いだろうね。
結構な大事件だったんだ。
この記事をアップした翌日、「アド街ック天国」は東十条だったらしい(らしいというのは小樽の兄貴、みーさんから教えてもらったのに、見忘れたから)。7位に「机上の空論」、「ほん田」が入ったとのこと。
復活して、然るべき評価を受けたから、良かったと思うよ。
東軒に足が向いてしまうのです。
その後、駅に向かうときに「ああ、ここは未訪だなぁ」と思うわけですよ。
麺が折りたたんであるように見えますが。
自分は「あづま軒」はちょっと高くて。
「半チャン」が1,040円というのは無理です。せめて千円でお釣りがこないと。
是非一度、「机上の空論」にも。丼ものはジャンさん、お好きそうです。
「外でお待ちください」これが何度も繰り返されましたね。
外が寒かろうが関係ない、これがウチの店のルールなんだって。
サイコーでした。
確かに緊張感ありますね。
難しいルールがありそうだという雰囲気もありますし。
これからジャンさんが「あづま軒」と「机上」とどちらに行くかも気になりますね。