雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

サンニッパで速写6タイトル (その1)はくちょう座サドル付近

2022年09月10日 | 機材
前回のブログ記事 に書いているのですが、
天候や月明かりが理由で2ヶ月以上も撮影できてていない状況から抜け出すため
比較的手軽に設営・撤収ができるサンニッパレンズを11年ぶりに使ってみる事にしました。
更に絞り開放(F2.8)で撮る事で露光時間を短縮すれば
雲が出ても何枚かは撮れるだろうという腹積もりで、
いつもなら設営しないような雲予報の5日夜に撮影を決行しました。

今回初めて O軸ガイドSYS(自称)に搭載した サンニッパレンズ

その夜の結果を先に言うと、
良い時でも雲量40%というSCW予報通りで、透明度は悪く5段階評価で2+といったところ。
それでも厚い雲は出なかったため、朝まで6タイトル撮影する事ができました。

撮影した順に画像処理を行ってますが、今回はその1タイトル目になります。
γ Cyg(サドル)付近 (はくちょう座)  
( 元画像の25% 縮小 )
( 上が北の方角になります )
撮影DATA : 2022/ 9/ 5 22:51’~  Canon NFD300mm(絞り開放F2.8
露出 分 × 16枚 + 30秒 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam 
ステラショット2(導入・自動ガイド) ステライメージ9(画像処理)

上弦過ぎの明るい月がまだ西の低空にあり、灯火もまだ明るい時間帯での撮影になりました。
露光時間についてはF値2.8である事と透明度が悪かった事から
2分×16枚+30秒×8枚 の総露光時間36分を標準にして撮影しました。
標準の総露光時間はVC200L(F9)鏡筒の1/4となり、
感覚的には”速写”に近づきました。

この夜に検証してみたかった事は、主に以下の2点になります。
➀ 絞り開放(F2.8)による星像の劣化は許容範囲か?・・・・・・・・
➁ 絞り(F4)を兼ねた結露防止フードを外して結露はないか?

星像の劣化については撮影した6タイトルの画像処理が終わってからにしますが、
レンズ前面の結露は朝までありませんでした。
(新しく購入したレンズヒータの効果か?)

ただ気になったのは、もう少しアップで撮りたいという撮影対象が多いこと。
(フルサイズカメラのせいもあるのですが・・・・)
例えば今回の対象を以前ヨンニッパで撮った画像は ↓
実はヨンニッパで撮った時も同じことを思いました。
透明度も良く、光害のない空なら もっと活躍できるレンズかも知れません。

こんな空でも撮っている『只今撮影中』ショットです ↓
( 四角枠はサンニッパ画像の撮影範囲です )
9月 5日23時22分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
上弦を過ぎた明るい月はまだ沈んでいません

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9月上旬の新月期も撮れずに終わり落胆していたのですが、
サンニッパのおかげで一気に画像ストックができました。
一タイトルの画像処理に3日かけて、あと5タイトルあるから・・
今夜の「中秋の名月」は雲がありそうだから設営しないでおこうかなぁ。

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11年ぶりにサンニッパを使おうと思った理由

2022年09月07日 | 機材
もう2ヶ月以上も星の撮影をしていません。
撮りたい気持ちは やまやまなのですが
この間ずっと、月明かりもなくて 一晩中 雲も無いという予報に巡り会えなかったのです。
そもそも天体写真というのは手持ちで”パッシャ!”という訳にはいきません。
時間をかけて重い機材を設営したのに、なにも撮れずに撤収ということもあります。
この趣味を始めた頃は 「もしかしたら晴れるかも・・」で設営したこともありましたが、
70代に入ってからは雲予報を信じて設営には慎重になってきました。

2ヶ月以上も撮れなかったのはその結果なのですが・・
自宅で撮った大宇宙SCALE」という過去に撮った画像だけで
ブログ記事を作成し続けるのもつらくなりました。
そこで考えたのが
比較的 楽に設営・撮影ができて雲が濃ければすぐ撤収できる撮影機材はないか?
具体的には
軽量で、短時間露光が可能な明るい光学系
そこで思い出したのが2008年10月に購入したサンニッパレンズ(フィルム時代の中古品)
その後 20㎝反射鏡筒やヨンニッパレンズ(これもフィルム時代の中古品)が増えて
2011年を最後に出番がありませんでした。

サンニッパ・ヨンニッパについての過去記事は → こちら

サンニッパレンズ重量はヨンニッパの半分以下です。(それでも2.3㎏)

いずれも開放でF2.8という明るい大口径レンズですが、
結露防止を兼ねた手製のF4絞りを装着して使用していました。
今回はサンニッパの手製絞りを外して開放(F2.8)で使えば露光時間を半分に短縮できます。
結露防止については先日レンズヒーターを新たに購入しました。

以上が今回のブログ記事の表題の答えになるのですが、他にも対処が必要な項目があります。

赤道儀への搭載方法
これまでヨンニッパを搭載していたO軸ガイドSYSに載せ替え
鏡胴が短いためカメラボデイがリングと干渉、ヨンニッパとはカメラの向きをタテ構図で180°逆にしました (上の画像はヨコ構図)

フラット画像の新規作成
ダークファイルは撮影終了時でも可能なのですが、フラットファイルは室内照明+障子紙を使って作成
天井のLED照明を白色にしてもっとも暗い状態にして作成しました ↑
作成したフラット画像です ↓
16枚コンポジットで縦構図・横構図及びフラットダークを作成しています

あとはいつ検証できるかだったのですが、台風11号が日本海沿いに迫っていた5日夜、
上弦過ぎの月があり 雲量も35%を下回らないという悪条件下で撮影を決行しました。
台風前夜は予報が外れて晴れる事があるという過去の経験からだったのですが・・

検証結果は次回以降で
.
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台風11号はこれまでにない強風が吹く予報で心配したのですが、
5日夜はまだ遠かったため、時々ガイドが乱れる程度の風。
全国的にも人的被害は少なかったようです。
撮影した夜の2時の台風の位置

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