栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

背中にご用心。

2006-05-29 23:43:03 | 視点
 人は一人の時は結構無防備である。
人に会う時は相手が男女に関係なく、ある種の緊張感を持っている。
それが仕事相手ともなれば、なおさらだろう。
身なり、仕草、話し方等にも、それなりに気を遣う。
ところが一人の時はつい無防備になる。

 喫茶店でお茶を飲んでいる時、ファミレスで食事をしている時、街を歩いている時・・・。
無防備だからその人の本質や、その時の気分がストレートに出てしまう。
そして、そんな時に結構人に見られているものだ。

 先日、街を歩いていたら向こうからちょっと前屈みで、腕組みして思案げな顔の男が歩いてきた。
これで和服を着ていれば、時代劇に出てくる、見るからに腹に一物ありそうな男そのものである。
どう見たって、その物腰は善人には見えない。
前屈みだから前を見る時どうしても上目遣いになる。
だからよけいに印象が悪い。
なにか良からぬ事を企んでいる風に見えてしまう。
旧知の間柄だったので、1メートル近くまで近付いた時に声を掛けたが、その時の表情もいまひとつ冴えなかった。

 私も時々何日、いや何か月も後になって、いついつ、どこどこで見かけた、と言われることがよくある。
その時に「背中に哀愁が感じられたわよ」などとは言われたくないものだ。
そのためにもできるだけ背筋を伸ばして歩くように心がけているが、果たしてどうか・・・。