栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

Eメールのエチケット(1)ーー初心者に多い失敗例(追加し更新)

2006-09-08 11:49:23 | 視点
 日本人は初対面の時に必ずといっていいほど名刺交換をする。
特にビジネスの世界では100%そうである。
その名刺がこの5年程の間に大きく変化したのをご存知だろうか。
5年前は名刺にEメールアドレスを書いている人はまだ半分にも満たなかったが、いまやEメールアドレスが書かれてない名刺の方が珍しい。
それもinfo@***といった会社の代表アドレスではなく、個人アドレスが書かれている。
それほどEメールが普及しているということである。

 ところが、ここで一つ問題が出てきた。
あまりにも急速にEメールが普及し、誰も彼もが使い出したから、エチケットを知らないままにメールのやり取りをする人達が増えている。
個人的な私的メールの場合はそれでもいいだろうが、ビジネスの世界でエチケットを欠いたメールはせっかくのチャンスも失することになる。
 先方が多少気分を害するぐらいならまだいいが、迷惑メールと判断され読まずにゴミ箱に捨てられることもあるので注意が必要だ。

 では、以下によく見かける失敗メールの例をいくつか挙げてみよう。

署名なしはエチケット違反

 初心者、あるいはメールのやり取りをあまり頻繁にしていない人に多く見かけるのが署名抜きメールである。
出した当の本人は分かっているつもりかもしれないが、日に何10通も送受信している人はメールに署名がなければ、それが誰からのメールか即座に分からない。
分からなければ即「ゴミ箱」行きだ。

 ゴミ箱に捨てられないにしても、目上の人、年上の人に署名もせずにメールを出すのは名乗らずに電話をするのと同じで、とても失礼だろう。
 こんなちょっとしたことで相手の心証を害し、ビジネスがダメになったりすれば元も子もない。

 仮にそこまで行かなくても、「エチケットを知らない奴だ」と思われるだけで人生不利になる。

 では、署名はどのように入れればいいのか。
個人的な相手になら自分の名前(フルネーム)だけでもいいだろうが、ビジネスの場合は

 社 名
 部署名
 氏 名
 会社住所
 電話番号
 E-mailアドレス


 ぐらいは最低限必要だろう。
 そして上記部分を本文と区別するために

-------------------------------------
氏名
Eメールアドレス etc
-------------------------------------
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
氏名
Eメールアドレス etc
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 というように罫線、記号などを使って上下に線を引いておくといい。





無題メールは受信拒否される

 次に時々見かけるのが「無題」メールだ。
これは携帯メールの影響かと思われるが、PCメールの場合、題名は絶対必要
題名なしのメールは99.9%迷惑メールと判断され、そのままゴミ箱に捨てられる。

 私は「無題」メールや題名欄に「Re:」だけ、あるいは「Fwd:」だけのメールは自動的に「迷惑メール」フォルダに移動する設定にしているから、一読もせずに捨てている。
 受信ソフトによっては一切受信を受け付けないこともあるので題名は必ず付けることが大事だ。

返信メールに多いミス

 上記2つ程ではないが、結構困るのが返信メールだ。
しかも、この手の返信メールが結構多いから参る。

 例えばユーザー登録を促す下記のようなメールが届いたとしよう。

ようこそ Shuriken Pro4 へ

インターネットメールソフト Shuriken Pro4 をご利用いただき、
ありがとうございます。
Shuriken Pro4は、ビジネスで使えるメールソフトとして進化しました。
セキュリティに強く、業務効率向上につながる機能をご利用できます。

                    株式会社ジャストシステム


 このメールに
「後日ユーザー登録をします」
という一文を入れて返信することにしよう。

後日ユーザー登録をします。

> ようこそ Shuriken Pro4 へ
>
> インターネットメールソフト Shuriken Pro4 をご利用いただき、
> ありがとうございます。
> Shuriken Pro4は、ビジネスで使えるメールソフトとして進化しました。
> セキュリティに強く、業務効率向上につながる機能をご利用できます。
>
>                     株式会社ジャストシステム


 Outlook Expressをはじめとし、ほとんどソフトは「返信に元のメッセージを含める」という項目に当初からチェックが入っているから、このまま返信ボタンを押すと上記のようなメールが相手に届く。

 返事はたった1行なのに、その後ろに送られてきたメールの全文が引用マーク付きで延々と続いているのが分かるだろう。

 こんなメールを返された方はうんざりするだろう。

たしかにそのまま返信ボタンを押せば楽なのは分かるが、引用は最低限にとどめ、不要部分は削除して送る配慮が必要だろう。

それが最低限のエチケットだと思うが、意外にこの程度のことをしない人が多い。

それもITについて講演して回っているような人間でさえ、そんなメールを返してくるから見識を疑いたくなる。

 ともあれ、たかがメール、されどメールである。
一度自分が出しているメールを見直してもらいたい。


 本ブログとは別にHPに以下のタイトルで別稿を載せていますから、そちらも一読戴ければ

 「Eメールのエチケット(2)--最低これだけは気をつけたい」


 「最近、メールの送信ミスが増えている。」


<以下、読者から届いていたコメントも参考にして下さい。>

初めまして、さかともと申します。

Eメールは初心者ではありませんが、楽しくしかも非常にためになりました。
(1)とのことなので、続編があるものと期待しております。

ところでためになる記事だからこそ、私からも一言言わせて頂きたいと思い、書くことにしました。

いつも思うのは、送信者側のマナーはマナーでいいのですが、迷惑メールと紛らわしいからとゴミ箱に捨てられるのは、双方にとって不利益をもたらす結果になります。

送信者は受信者に正しく伝えたつもりでいて、受信者はまだ送られてこないとイライラして待つことになり、双方の意思疎通がそれだけ遅れることになるわけです。
(そして大抵の場合、双方が「自分は正しい」と主張するでしょう)

れがビジネスであれば、トラブルになることは誰が考えてもわかることですし「どちらが悪い」以前の問題なのです。

しかしそれは受信者側のチョットした設定で防ぐことができるのです。
それは「メールルール(OutlookExpressの場合)」で送信者メルアドを指定し、受信トレイ以外のフォルダへ迷惑メール以外のメールを振り分けるように設定するのです。

最初は多くのメルアドがあって大変でしょう。また企業など独自ドメインならば"@"以降のドメイン名だけでいいでしょう。
つまり正当なメールは、頻繁にメルアドが変わることは少ないため一度設定してしまえば、間違いなく別フォルダへ振り分けられるのです。
こうすると受信トレイに残るのは、新規に送って来た「正当なメール」と「迷惑メール」だけとなります。

そこまでやれば受信トレイ上のメルアドと件名を見るだけで、ほとんど手動で振り分けができるようになります。
言い方こそ違え、大抵のメーラーにはこの機能は付いていますので、ビジネスで使うのならば必ずやるべきです。

私が恐れているのは日本の場合、マナーがマナーではなく、いつのまにか「ルール」となってしまう傾向があるからです。


最後に、このコメントはこのブログを書かれた方を非難するものではなく、より多くの方が、より良い方向へ改善されることを願って書いたのであることをご理解願いたいと思います。

これからも、ためになるブログを楽しみにしています。






1本でWindows、Mac、Androidに対応
軽快さNo.1のウイルス対策ソフト
1本で5台分使え、価格もビックリするほど安い!!
USBメモリウイルスの感染にご注意を!


トヨタ・レクサス国内苦戦の理由

2006-09-08 02:48:59 | 雑感
 6日、7日と福岡国際センターで開催されている「モノづくり総合展」に行ってきた。
日刊工業新聞社主催のこのイベントも同社の衰退と軌を一にするかのように最近は集客に苦労しているようだ。

 「モノづくり総合展」に今年初めてコーナーが設けられたのが自動車関連産業。
トヨタ九州がレクサスを展示していたので、国内販売苦戦の理由をそれとなく聞いてみた。

 「世界的には伸びているんですが、国内が少し・・・。走り、馬力にウェイトを置いたものですから、いまにしてみればその辺がちょっと見誤ったかなという気がしないでもありませんが。いまのようなガソリンの高値をみればですね。ただ、最上級車種のLSはベンツ、BMWの顧客層をターゲットにし、そちらから乗り換えを狙っていますから、まあこれからでしょう」

 トヨタもここまでの原油高は予測してなかったようだ。
さて、トヨタの狙い通りに行くかどうか。