栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

民主党支持率急落の原因は鳩山首相のリーダーシップ不足

2009-12-23 23:40:52 | 視点
 民主党政権発足後、ハネムーン期間の100日を待たずして鳩山内閣の支持率が急落している。(読売新聞社調査:55%、朝日新聞社調査:48%)
 選挙期間中は目立ったが、政権発足後目立たないというか、存在感がないのが鳩山首相。その分、出しゃばりなのが幸夫人だったが。
 政権発足直後は前原国交相が首相然として見えたが、威勢がよかったダム建設中止発言もいつの間にか後退した感は否めず、空港問題でも当初の威勢のよさは影を潜めつつある。
 結局、前原氏はスタートダッシュがいいだけの男なのかもしれない。

 逆に当初から目立たない(存在感がない)のが菅氏だ。
国家戦略を決める部署にいながら、まったく国家戦略を示すことができない。
菅氏はもう少し買っていたのだが、もう賞味期限切れなのか。

 そういう意味では当初から期待していなかったのがこの人、鳩山由紀夫ちゃんだ。
 口を突いて出る言葉といえば、抽象的な「友愛」とリーダーシップのなさを言葉だけでカバしている「最後は私が決めます」。
最後でなくていいから、早く決めてよ、と言いたくなる。
発言は1日で変わる(ブレる)し、優柔不断で結論は先延ばしにするし。

 そういう状態に業を煮やしたのが、小沢幹事長だろう。
まあ、小沢氏でなくとも国民も業を煮やすとまでは言わないが、焦れったさを感じているのは間違いない。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるように、政権交代で国民が期待している熱が冷めないうちに新政権のビジョンを打ち出し、政策を決定すべきだろう。

 事業仕分けについては色々言う人がいるが、国民の大多数は支持しているはず。
いままで闇の中で行われていたことが白日のもとにさらされ、そんなことに税金が使われていたのだということを国民に分からせた意味は非常に大きい。
 事業仕分けはもっと突っ込んでもらいたかったのと、今後も継続して行うべきだろう。

 ただ、全体の戦略的ビジョンが明確でない中でいろんなことをやっているものだから、それぞれが勝手なことを主張し、まとまらない。
 本来なら、そういう場面で首相が出てきて方向性を示し、調整し、まとめるべきなのだが、それを鳩山首相がやらないものだから、いつまでたっても物事が決まらない。
 これでは政治主導じゃないではないか!
そう思うのは小沢幹事長に限ったことではない。
結局、「早くしろ」と業を煮やして出てきた。
小沢支配だなんだといわれるが、もし小沢氏が発言していなければまだ決まっていなかったのではないだろうか。

 国民は国庫に金がないのは分かっている。
暫定税率維持もやむを得ないだろうとある程度理解している。
高速道路の無料化に対してはむしろ反対さえしている。
そういう状況なのだから率直に状況を国民に説明し、理解を求めるべきだろう。

 そして、なにより早く決めることだ。
普天間問題もしかり。
方向性を決め、理由を説明し、速やかに手を打っていく。
そして削るところはさらに削る。
その一方で経済対策をこれまた速やかに実行する。

 このことがいま鳩山政権に求められている。
それができないなら年明け後、首相の首は変わっているかもしれない。
鳩山首相のリーダーシップのなさが一番の問題だ。
こういう難局を切り開くリーダーとしては小沢一郎氏の方が合っているのだが・・・。
 彼にもう少し面倒くさがらず、説明する努力がありさえすれば、ね。