鳩山首相の辞任表明が1日延びた、とは前回書いた。
小沢、輿石氏との2度目の3者会談が行われたのが1日である。
いくら「宇宙人」の鳩山首相でも、情勢の厳しさは知らされているはずで、そういう認識の下に3者会談に臨んだはずだ。
にもかかわらず、その場では結論が出ず、翌2日も継続会談を行うと発表された。
なぜ、2度目の会談で続投、辞任がはっきりしなかったのか。
結局、鳩山首相が辞任を発表したのは翌2日午前中だった。
果たして鳩山首相は自発的に辞めたのか、それとも辞任を迫られ辞めざるを得なくなったのか。
1回目の会談が行われたのは31日夕だった。
輿石氏が参議員内の厳しい雰囲気を伝え、暗に辞任を迫る。
しかし、会談時間はわずか5分という短さだ。
朝日新聞はこの時の様子を次のように伝えている。
一通り話が終わると、首相は切り出した。
「首相を辞めようと思います」
突然の辞意表明だけに、小沢、輿石両氏は「首相は本気なのか」と
不信感を持った。
とりあえず約5分で会談を打ち切り、翌日も協議することだけを約束し、
様子を見ることにした。
もし、この通りだとすれば鳩山首相が自ら辞任の意思を表明したことになるが、果たしてそうか。
それにしても会談時間が短すぎる。
そんな重要な意思表明をしたのなら、会談にもっと時間がかかったはずだ。
しかも、その後、各議員に連絡したりという動きがあるはず。
ところが、そんな動きは全くなく、会談時間も数分という短さで打ち切られ、翌日継続して会談することになった。
どうも朝日新聞の記事を文字通りに受け取ることは出来ない。
実はこの時、中国の温家宝首相が来日中だったのだ。
そのことを理由に鳩山首相は会談を打ち切ったと「時事ドットコム」や他紙の中に書いているものがある。
温家宝首相の来日中は事実である。
だからといって、退陣決意のような重要なことを表明して、すぐ会談を打ち切るだろうか。
恐らく輿石氏の話を聞き終わると、「分かりました。情勢は厳しいですが、これからも3人で力を合わせて頑張りましょう」と言い、別れたのだろう。
問題は1日に行われた2回目の3者会談である。
この時の所要時間は30分。
はじめて突っ込んだ意見交換がなされたと見るのが順当だろう。
ではこの時、主導権を握って話を進めたのは誰か。
鳩山首相はこの時何を言ったのか。
辞意を表明したのか、それとも続投すると言ったのか。
後日の鳩山首相の話では辞意を表明し、小沢氏にも辞任を迫ったように聞こえる。
たしかに会談後の両者の顔は対照的だった。
憮然とした表情にも見える小沢氏に対し、鳩山首相の顔は明るく、はしゃいでいるようにさえ見えた。
だから記者団から「続投ですか」という質問が飛び、それに答えるように左手親指を立てて見せている。
実は前日の会談後にも同じような光景が繰り広げられている。
記者団から「3人で続投を確認したのか」と問われ、「当然だ」と答えている。
つまり、この段階まで辞めるつもりはなかったのだ。
辞任表明後、ポーカーフェースを装ったみたいなことを自身は言っていたが、鳩山首相にそんな芸当が出来るだろうか。
むしろ、あるとすれば天然ボケ。相手の言っていることをよく理解できない「能力」だろう。
その「能力」で続投が支持されたと思い込んだ、というのが本当のところだろう。
では2回目会談直後のあの笑顔と親指立てポーズは何か。
小沢氏の辞任も取り付けたと見るのは間違いだろう。
やはり素直に「続投」支持が取り付けられたと見るのが正しいだろう。
とにかく、この人は思い込みの激しい人である。
しかも妙な自信を持っている。
それは嘉手納基地移設問題の時にも現れている。
自分が乗り込めば沖縄の住民も、徳之島の住民も理解してくれると思い込んでいた節がある。
裏を返せば状況認識能力の乏しい人といえる。
まあ、そんな人物を首相にしてしまったのだから、国民も民主党も不幸だった。
続投が支持されるという鳩山首相の思い込みはどこから来ているのだろうか。
それは小沢氏に対する思い違いから来ているに違いない。
自分を切れば、小沢幹事長も辞任せざるを得ない。
そんな選択を小沢氏がするはずがない。
自分が絶対辞めないといえば、なんだかんだいっても支持してくれるだろう。
これが1回目会談の時の思い込みである。
2回目会談では、輿石氏の辞任要求の声に対し、その場で「辞任しましょう」と言いはしたものの、小沢幹事長が私を辞めさせるわけがない。必ず引き留めるに違いない、という思い込みである。
この思い込みが笑顔と親指立てポーズになったのである。
一方の小沢氏はといえば、グズグズ言いながらスパッと辞めると明言しない鳩山首相との会談に憮然としていた。
膠着状態である。
では、鳩山首相はいつ辞任を決意したのか。
それとも引導を渡されたのはいつか。
当夜か翌早朝に小沢氏からかかってきた電話だろう。
その電話で「自ら辞任しないと、両院議員総会を開けば、その席で続投は反対されますよ」と言われたのである。
鳩山氏の誤解は小沢氏が私利私欲で動いていると思っていたことだろう。
小沢氏は巷間言われているほど権力にしがみつくタイプではない。
彼の過去の言動をよく見れば、そのことは分かるはずだが、結局小沢氏の対応を読み違えたことが、辞任に追い詰められたといえる。
それにしても辞任表明時のどこか他人事的な演説は一体何だろう。
自らの責任はほとんど感じていないようだ。
所詮は金持ちのお坊ちゃまのやること。
次期衆院選挙には立候補しないと表明したが、細川元首相退陣と似たものを感じる。
両者に共通しているのは「金持ちのお坊ちゃま」という点。
庶民のことなど真剣に考えられるはずがない。
次期首相は庶民感覚を持ち合わせた苦労人になって欲しいものだ。
小沢、輿石氏との2度目の3者会談が行われたのが1日である。
いくら「宇宙人」の鳩山首相でも、情勢の厳しさは知らされているはずで、そういう認識の下に3者会談に臨んだはずだ。
にもかかわらず、その場では結論が出ず、翌2日も継続会談を行うと発表された。
なぜ、2度目の会談で続投、辞任がはっきりしなかったのか。
結局、鳩山首相が辞任を発表したのは翌2日午前中だった。
果たして鳩山首相は自発的に辞めたのか、それとも辞任を迫られ辞めざるを得なくなったのか。
1回目の会談が行われたのは31日夕だった。
輿石氏が参議員内の厳しい雰囲気を伝え、暗に辞任を迫る。
しかし、会談時間はわずか5分という短さだ。
朝日新聞はこの時の様子を次のように伝えている。
一通り話が終わると、首相は切り出した。
「首相を辞めようと思います」
突然の辞意表明だけに、小沢、輿石両氏は「首相は本気なのか」と
不信感を持った。
とりあえず約5分で会談を打ち切り、翌日も協議することだけを約束し、
様子を見ることにした。
もし、この通りだとすれば鳩山首相が自ら辞任の意思を表明したことになるが、果たしてそうか。
それにしても会談時間が短すぎる。
そんな重要な意思表明をしたのなら、会談にもっと時間がかかったはずだ。
しかも、その後、各議員に連絡したりという動きがあるはず。
ところが、そんな動きは全くなく、会談時間も数分という短さで打ち切られ、翌日継続して会談することになった。
どうも朝日新聞の記事を文字通りに受け取ることは出来ない。
実はこの時、中国の温家宝首相が来日中だったのだ。
そのことを理由に鳩山首相は会談を打ち切ったと「時事ドットコム」や他紙の中に書いているものがある。
温家宝首相の来日中は事実である。
だからといって、退陣決意のような重要なことを表明して、すぐ会談を打ち切るだろうか。
恐らく輿石氏の話を聞き終わると、「分かりました。情勢は厳しいですが、これからも3人で力を合わせて頑張りましょう」と言い、別れたのだろう。
問題は1日に行われた2回目の3者会談である。
この時の所要時間は30分。
はじめて突っ込んだ意見交換がなされたと見るのが順当だろう。
ではこの時、主導権を握って話を進めたのは誰か。
鳩山首相はこの時何を言ったのか。
辞意を表明したのか、それとも続投すると言ったのか。
後日の鳩山首相の話では辞意を表明し、小沢氏にも辞任を迫ったように聞こえる。
たしかに会談後の両者の顔は対照的だった。
憮然とした表情にも見える小沢氏に対し、鳩山首相の顔は明るく、はしゃいでいるようにさえ見えた。
だから記者団から「続投ですか」という質問が飛び、それに答えるように左手親指を立てて見せている。
実は前日の会談後にも同じような光景が繰り広げられている。
記者団から「3人で続投を確認したのか」と問われ、「当然だ」と答えている。
つまり、この段階まで辞めるつもりはなかったのだ。
辞任表明後、ポーカーフェースを装ったみたいなことを自身は言っていたが、鳩山首相にそんな芸当が出来るだろうか。
むしろ、あるとすれば天然ボケ。相手の言っていることをよく理解できない「能力」だろう。
その「能力」で続投が支持されたと思い込んだ、というのが本当のところだろう。
では2回目会談直後のあの笑顔と親指立てポーズは何か。
小沢氏の辞任も取り付けたと見るのは間違いだろう。
やはり素直に「続投」支持が取り付けられたと見るのが正しいだろう。
とにかく、この人は思い込みの激しい人である。
しかも妙な自信を持っている。
それは嘉手納基地移設問題の時にも現れている。
自分が乗り込めば沖縄の住民も、徳之島の住民も理解してくれると思い込んでいた節がある。
裏を返せば状況認識能力の乏しい人といえる。
まあ、そんな人物を首相にしてしまったのだから、国民も民主党も不幸だった。
続投が支持されるという鳩山首相の思い込みはどこから来ているのだろうか。
それは小沢氏に対する思い違いから来ているに違いない。
自分を切れば、小沢幹事長も辞任せざるを得ない。
そんな選択を小沢氏がするはずがない。
自分が絶対辞めないといえば、なんだかんだいっても支持してくれるだろう。
これが1回目会談の時の思い込みである。
2回目会談では、輿石氏の辞任要求の声に対し、その場で「辞任しましょう」と言いはしたものの、小沢幹事長が私を辞めさせるわけがない。必ず引き留めるに違いない、という思い込みである。
この思い込みが笑顔と親指立てポーズになったのである。
一方の小沢氏はといえば、グズグズ言いながらスパッと辞めると明言しない鳩山首相との会談に憮然としていた。
膠着状態である。
では、鳩山首相はいつ辞任を決意したのか。
それとも引導を渡されたのはいつか。
当夜か翌早朝に小沢氏からかかってきた電話だろう。
その電話で「自ら辞任しないと、両院議員総会を開けば、その席で続投は反対されますよ」と言われたのである。
鳩山氏の誤解は小沢氏が私利私欲で動いていると思っていたことだろう。
小沢氏は巷間言われているほど権力にしがみつくタイプではない。
彼の過去の言動をよく見れば、そのことは分かるはずだが、結局小沢氏の対応を読み違えたことが、辞任に追い詰められたといえる。
それにしても辞任表明時のどこか他人事的な演説は一体何だろう。
自らの責任はほとんど感じていないようだ。
所詮は金持ちのお坊ちゃまのやること。
次期衆院選挙には立候補しないと表明したが、細川元首相退陣と似たものを感じる。
両者に共通しているのは「金持ちのお坊ちゃま」という点。
庶民のことなど真剣に考えられるはずがない。
次期首相は庶民感覚を持ち合わせた苦労人になって欲しいものだ。