昨年末に告知した展覧会(☆)に出品した作品です。
顔真卿の裴将軍詩の一部を臨書(節臨)したもので、この展覧会の最大サイズ(270×70cm)に初めて挑戦しました。
登高望天山。白雪正崔嵬。入陣破驕虜。威声(聲)雄震雷。一射百馬倒。千射万(萬)夫開。匈奴不敢敵。相呼帰去来。
高みに登って天山(天山山脈)を望めば、白雪正に崔嵬(うず高く積もっている)たり。陣に入りて驕虜(驕慢な異民族)を破れば、威声は震雷(鳴り轟く雷)よりも雄なり。ひとたび射れば百馬倒れ、千たび射れば万夫開く(万人も道を開ける)。匈奴(北方異民族)は敢えて敵せず(歯向かおうとはせず)、相呼びて帰去来す(呼ばわって帰順してきた)。
原帖はコチラ↓
楷行草が入りまじった破体(いくつかの異なった書体をまじえて書いたもの)で、縦横無尽に変化に富み、署名はありませんが、その力量から顔真卿の書とされています。
顔真卿は、中国唐代の剛直な忠臣で、書おいては、王羲之が正統派といわれるのに対し、革新派の書といわれ、後世の書家に大きな影響を与えています。多種多様な書表現で、多く残された楷書碑は一碑一面貌といわれ、三稿(祭姪稿・祭伯稿・争座位稿)と呼ばれる卒意の書(手紙や草稿など、書作品としての制作意図を持たない書)には、その時の気持ちがあふれ、心打たれるものがあります。
顔真卿の卒意の書をドーンと作品にするのは長年の夢で、しかも破体に興味があったので、裴将軍詩の原帖を見つけた時は一瞬で魅了されました。
今回、思いがけず大きな賞をいただき、いろいろな経験ができました。
書友の皆様や友人たち、そして家族の優しさにも触れ、自分一人の力では到底ありえなかったことだろうなあ~と実感しいます。
直接ご指導いただいている先生からは、「ちょっと墨が濃かった。聲の最終画は長すぎ、真ん中辺りは良い。」とのご講評をいただきました。
皆さんからのご感想を総合すると、この原帖を選んで挑戦したことが評価されたんだろうなあ~と思います。
気持ちを切り替えて、また新たな挑戦をしていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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