※今回は、小生が日ごろ感じている意見を書き下ろしてみます。
いつもの記事とはタッチが異なりますが、たまにはこういうのもお許しください。
禁煙治療に健康保険が使えるらしい。
導入されたのはもう6年も前だったそうで、当時の経緯は見落としてしまっていたが、ここのところテレビCMや電車の車内広告でやたら目に留まる機会が増えてきたので、この場で異議を唱えておきたい。
まず、健康保険法第106条は「被保険者が‥故意に給付事由を生じさせたときは‥保険給付は、行わない」と定めていることを確認してほしい。
これは社会保険制度として当然の制限であり、このことに異論をはさむ余地は無いだろう。自ら健康を害した人まで社会全体が面倒を見る義務は(少なくとも自由主義社会では)無いのだから。(なお、「自殺」も故意ではあるが、残された遺族に埋葬料等が給付されるのは、「社会全体が面倒を見る」という社会保険制度の趣旨を踏まえれば、逆に当然の措置と言える)
では、タバコを吸って体を壊してしまうのは“故意”ではないのか。
タバコは健康に害があることは世の常識であり、ニコチンには強い依存性があることだって、知らなかったとは言わせない。タバコを吸うのは、それらを承知のうえであるはずなのだから、喫煙行為は“故意”以外の何物でもないだろう。
分別の付かない子どもじゃあるまいし、もう20歳を超えた大の大人なのだから、吸うも、止めるも、個人の自己責任でやれば良い。お医者さまの力を借りなければ禁煙できない人もいるかも知れないが、だったら、健康保険を使わずに自費診療を受けるべきだ。
世の中には「なりたくない病気」に罹ってしまった人がいっぱいいるわけで、そういう人のためにこそ、我々が納めた健康保険料を使ってほしい。
ここ数年、健康保険料率は上昇の一途をたどっている。こんな事(敢えて「こんな事」と強調したい)に健康保険を使わせて、非喫煙者にまでそれを負担させるのは、納得のいく説明が付かないのではないか。
なお、これに関しては「喫煙者には健康保険料の増額を」という意見も見られるが、小生は、保険料負担の多寡よりも、故意の傷病を保険給付の対象とすること自体が社会保険制度の根幹を揺るがす問題だと考えている。
温水洋一さんも仲間由紀恵さんも好きなんだけど、また、小生の身近にも愛煙家がいる(その多くが禁煙したがっている)けれども、それでも、「健康保険で禁煙治療」は理不尽な制度であると、強く主張しておきたい。
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