「キャリアアップ助成金」は、いわゆる非正規労働者に対してOff-JT(職場外での研修)やOff-JTを併用するOJT(職場内での研修)によりキャリアアップを図った事業主に支給されるもので、(1)「正規雇用等転換コース」、(2)「人材育成コース」、(3)「処遇改善コース」、(4)「健康管理コース」、(5)「短時間正社員コース」、(6)「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」の6コースがある。
具体的な助成内容は、これらのうち最も使われている「人材育成コース」を例に挙げれば、「Off-JTへの経費助成(最大30万円)」と「研修期間中の賃金助成(研修内容や企業規模ごとに時間あたり800円、700円、500円)」とで構成されている。
ところで、この助成金は、直接雇用されているパートタイマー等ばかりでなく、派遣労働者も対象とすることができるのだが、派遣労働者に対して研修を実施した場合、「人材育成コース」の助成金は、派遣元と派遣先のどちらが支給申請できるか、ご存じだろうか。
これについては、原則論として、「Off-JTの経費を負担した側に支給される」と認識しておけば良い。派遣元と派遣先とが時期をずらしてOff-JTを実施したなら、双方が、それぞれの実施時期ごとに助成金を申請できる。1件の研修を派遣元と派遣先とが共同実施したようなケースでは、両者が任意に取り決めた時間で分割してそれぞれが支給申請することも可能だ。
加えて、派遣労働者を直接雇用した場合には、「正規雇用等転換コース」の助成金として、1人あたり60万円(中小企業が有期契約の派遣労働者を正規雇用労働者として直接雇用した場合)が支給される。これは当然、直接雇用した「派遣先」のみが支給申請できる。
特に「紹介予定派遣」の場合は、そもそも一定期間経過後に直接雇用するつもりで派遣労働者を受け入れるのだから、この助成金になじみやすい。ぜひ上手に活用したいものだ。
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